ゾーイ・サルダナ主演のアクション映画『コロンビアーナ』のレビュー。
紹介
コロンビアーナのストーリー
マフィアに両親を殺されたカトレア。
彼女は命からがらアメリカに住む叔父のもとまで逃げ、普通の子供として生活を送るが、一方で両親の敵を討つべく訓練を積むことに。
15年後、一人前の殺し屋になったカトレアは、両親の死に関与した者たちへの復讐を始める。
コロンビアーナの出演陣
役者 | 役名 |
ゾーイ・サルダナ | カトレア |
ジョルディ・モリャ | マルコ |
レニー・ジェームズ | ジェームズ |
アマンドラ・ステンバーグ | カトレア(子供) |
マイケル・ヴァルタン | デラネイ など |
感想
女殺し屋の復讐劇
全体的にアクション映画としては大きく外さない作品でした。
いわゆる”リベンジもの”になっており、それの醍醐味である復讐のカタルシスはちゃんと味わえます。
また、ゾーイ・サルダナ演じる殺し屋・カトレアは細身ながらもアクションに勢いがあり、そのしなやかな動きはゴリゴリのアクション俳優とは一線を画するものでした。
さらに、ストーリーのテーマもよく、”復讐を果たしても何も解決しない”ことを説く叔父と、それが理解できないカトレアの葛藤がストーリーに深みを与えます。
クライマックスはスカーフェイス的
カトレアの部屋に『スカーフェイス』のポスターが貼ってありましたが、本作のクライマックスはその『スカーフェイス』をパロディしたものでした。
ツッコミどころが多い
“リュック・ベッソン的”と言えばそれまでですが、この映画も演出優先でお話は二の次になっており、ツッコミどころが多いです。
例えば、警察署内での暗殺にしても「警官が監視カメラを見ないこと」「警官がタイミングよくトイレに行くこと」を前提にしているし、そもそも騒ぎを起こす理由も分かりません。
また、「本人や周りで眠る女たちに察知されずにターゲットの体にペイントなんてできるだろうか?」とも思ってしまう。
あと、主人公の素性が判明する過程で─
- 彼氏が主人公の寝顔を撮影する
- たまたま、彼氏が友人にそれを見せる
- たまたま、その友人の義妹が警察勤務だったのでデータベースで照会する
- たまたま、FBI捜査官も照会を掛けていたのでデータが一致する
というようにビックリするくらい”たまたま”が重なるので興醒めします。
結局、FBI側はリュックベッソンが引いたご都合主義のレールを進むだけなので、何の緊張感も存在感もありません。
あと、来週から姪が通学する学校の前で銃を乱射する叔父にも「?」でした。
説明不足
CIAがマルコを使ってカトリナを暗殺させる動機や、カトリナがFBI捜査官の情報を得た方法が「察しろ」という感じでモヤモヤします。
まとめ
終わってみれば悪くないアクション映画でした。
ご都合主義的なストーリーは引っかかりますが、ストーリーのテーマや主人公像は非常に魅力的で、ゾーイ・サルダナのしなやかなアクションも見応えがありました。