イドリス・エルバ主演のアクション映画『フレンチ・ラン』のレビュー。
紹介
フレンチ・ランのストーリー
パリで起こった爆破テロの容疑者にされてしまったスリ師・メイソンと、そんな彼を執拗に追跡するCIA捜査官・ブライアー。
しかし、”捜査を進める中でメイソンの無実を確信した”ブライアーは、メイソンと一緒に真犯人を追跡することに。
フレンチ・ランの出演陣
役者 | 役名 |
イドリス・エルバ | ブライアー |
リチャード・マッデン | メイソン |
シャルロット・ル・ボン | ゾーエ |
ケリー・ライリー | デイカー |
ジェゼ・ガルシア | ガミュー など |
感想
イドリス・エルバが大暴れ
イドリス・エルバ演じるCIA捜査官・ブライアーが、スリ師・メイソンと協力し、パリで発生したテロ事件を捜査するバディもの。
主人公・ブライアーは、同じくイドリス・エルバ主演の刑事ドラマ『刑事ジョン・ルーサー』の主人公を連想させるキャラクターになっており、型破りな捜査官です。
一方、メイソンはどこにでもいそうな青年ですが、スリの腕は一人前でした。
CIA捜査官×スリ師
一見すると無理な組み合わせに思えますが─
- メイソンは命を狙われているのでブライアーに同行している
- ブライアー以外はメイソンの無実を信じていない
というようにストーリー的な動機付けがきちんとされているので、荒唐無稽さはありません。
また、ブライアーの捜査官としての能力と、メイソンのスリの技術も、ストーリーを進める上で欠かせない要素になっています。
ストーリー自体は”ありきたり”ではありましたが、CIA捜査官×スリ師の組み合わせは面白く、ストーリーも筋が通っていました。
あと、アクションにもそれなりに力が入っていました。
同じくパリを舞台にした”バディもの”『パリより愛をこめて』ほどアクション重視ではありませんが、定期的に見せ場が用意されており、アクション映画としても楽しめました。
テロ犯側の作戦が練り込み不足
結局、テロ犯の目的は銀行強盗であり、冒頭のテロ事件は陽動作戦の一つでした。
テロ犯の作戦自体は用意周到なものでしたが、作戦の総仕上げに”SNSで市民を扇動する”を加えている点は疑問に感じました。
“人間の感情”なんて完全にコントロールできませんし、ましてやSNSを介した拡散や炎上なんてことも、相手が人間である以上はそんな都合よく起こせません。
(SNS工作が上手く行かなければ犯人たちの計画はオジャンです)
案の定、完全にコントロールできずに銀行内に暴徒が雪崩込んで来ましたし。
作戦自体は用意周到だったのに、最後の総仕上げが外的要因頼り(運任せ)だったことで、一気に陳腐な作戦になってしまいました。
パリ祭だ!デモだ!SNSだ!というような安易なチョイスでした。
あと、最後の方で主人公・ブライアーが銀行に忍び込む際にわざわざヘルメットを脱いだ理由もよく分かりません。
まとめ
サスペンス系アクション映画としてはギリギリ楽しめました。
冒頭の”置き引きがきっかけのテロ事件”が掴みとして良かっただけに、終盤辺りの雑な展開は残念でしたが、全体を通して見れば”観れる映画”でした。
ちなみに、エンディングソングはイドリス・エルバが歌ってます。