『シャドウ・スナイパー』のレビュー。
紹介
シャドウ・スナイパーのストーリー
深夜の町で1軒だけ営業しているガソリンスタンドに立ち寄ったホルヘ。
給油を済ませ会計に向かうも、人の気配はなく、仕方なく店を出ようとした瞬間、銃弾が身体に命中する。
咄嗟に避難するも、その後も隙あらば撃ち込まれる銃弾により、店から出られなくなってしまい…。
引用元 – Youtube
シャドウ・スナイパーの出演陣
役者 | 役名 |
ミリアム・カベッサ | サンドラ |
ウナイ・ガルシア | ホルヘ など |
感想
【ネタバレ無】シチュエーション・スリラー
真夜中の町を車で流す男女。
ガソリンスタンドにふと立ち寄ったのが運の尽き、主人公・ホルヘはスナイパーに狙撃され、スタンドの売店から一歩も出られなくなる。
安全地帯から狙撃してくるスナイパーと、密室に押し込められたホルヘが織りなす、シチュエーション・コメディならぬシチュエーション・スリラー。
決して大掛かりな映画ではないが、制約がある中でしっかりスリラーとして成立させており、”頭を出すと即死”という状況で孤軍奮闘するホルヘの姿をスリリングに描いている。
また、緊迫感と静寂を音楽で巧みに表現したり、想像する余地を映像に残していたりする点は、監督のセンスを感じさせる。
【ネタバレ有】無理して脱出する必要がない
主人公・ホルヘは無理して脱出する必要がなく、売店内でじっと待っていれば日が昇って誰かが見つけてくれたはず。
スタンドの場所も辺鄙な田舎ではなく市内なので。
同じくスナイパーに狙われる『フォーン・ブース』のように、ピンポイントで狙いを付けられているわけでもないし。
結局、同乗者の女性が早い段階で殺されてしまったので、「彼女のために」や「彼女を救うために」と言った動機も無くなり、ほんとじっと待っていれば良かった。
個人的には、女性が出血していて「早くここから出ないといけない!」みたいなトリックでもあれば良かったかなと思う。
あと、エンディングの”まとめ切れなかった”感は残念。
狭いスタンド内で孤軍奮闘するホルヘを見て、「犯人の目的は?」「どうやってこの危機から抜け出すの?」と期待していたのに、結局、何も分からずに終わる。
最後、スナイパーがわざわざ地上に降りて来てホルヘに迫って来るが、「あれ、絶対にホルヘを始末しないといけない理由でもあるのか?」と思わせるも、これも何も分からない。
日本語版の表紙は誤解を招く
日本語版の表紙は”スナイパーを全面に押し出したアクション映画”のようだが、実際はスナイパーに追い詰められた男の葛藤を描く作品。
まとめ
アイデア先行の尻すぼみ映画だった。
おそらく、監督は”スナイパーに狙われ、狭い空間で孤軍奮闘する姿”を描きたいのであって、それ以外は別にどうでも良かったのだろうという感じがする。
中盤辺りまでは面白かっただけにそれ以降の展開は残念。