ニコラス・ケイジ主演のコメディ映画『天使のくれた時間』のレビュー。
紹介
天使のくれた時間のストーリー
ウォール街で成功し、豪華な暮らしをしていたジャックはある日、突然、違う人生をおくっていた!
目覚めるとそこは今まで見たことがない部屋。
横に は13年前に別れた恋人ケイトが眠り、二人の子供のパパになっていた。「その世界」でのジャックは現実とは全く違うタイヤセールスマンの平凡 な夫。
やがてジャックに、現実の世界へ戻る時が近づいてくるが…。
引用元 – Youtubeより
天使のくれた時間の出演陣
役者 | 役名 |
ニコラス・ケイジ | ジャック |
ティア・レオーニ | ケイト |
ドン・チードル | キャッシュ |
ジェレミー・ピヴェン | アーニー |
マッケンジー・ヴェガ | アニー など |
感想
もし、あの時に戻れたら?
この映画は人生を仕事に捧げて来た主人公・ジャックが、「もし、家族を持つという選択をしていたら?」というIFの世界に飛ばされて悪戦苦闘する姿を描いた作品です。
IF世界でのジャックは、家族経営のタイヤ店でそこそこの役職に就き、愛すべき妻子がいて、マイホームもあって、近所の美人人妻には気に入られて…という中流階級の成功者のような人物です。
しかも、妻は自分が仕事を優先したくて捨てた元恋人・ケイトでした。
「そら、楽しいでしょ」
と言いたくなりますが、ジャックは以前の記憶が残っているので戸惑います。
ジャックは”初めて会った”自分の子供の世話や、彼にとってはつまらない仕事をこなし、妻のケイトとも関係を深めてゆきます。
次第に、ジャックは自分が捨ててしまった”もう一つの人生”の尊さに気づき、その人生を必死に生きようとするのですが、その姿は非常に感動的。
観客も、この人生は一時的なものだと分かっているので一瞬一瞬が儚く、全てが元に戻った後の喪失感も、ずっしりと重い。
価値観の押し付け?
私は”家族を愛し、慎ましく生きる”という生き方もあれば、一方で”仕事に打ち込み、独身を謳歌する”という生き方もあると思っています。
(もちろん、↑以外にも人それぞれに生き方があると思っています)
しかし、この映画は前者の生き方のみを善として描いている節があるので、一つの生き方をまるで正解のように押し付けてくる印象を受けました。
前述したようにストーリー自体は良かったのですが、その裏に隠された”価値観の押し付け”のようなメッセージはあまり好きではありません。
まとめ
心温まるコメディ映画の良作でした。
若干、価値観の押し付けを感じることもありましたが、もう一つの人生を生きるチャンスを得た男が奮闘する姿は非常に感動的で、最後も良い余韻が残ります。