「プレイステーション2」のゲームをPCでプレイする方法はいくつかありますが、対応ゲームの多さと国内でも情報が得やすい二点から、この記事では「PCSX2」のインストール方法を紹介する。
先にこの記事でやることを紹介しておく。
- PS2を用意する
- USBメモリを用意する
- DVD-Rを用意する
- PCSX2を用意する

この記事で紹介している方法はあくまでも一例であり、動作を保証するものではありません。ですので、作業は自己責任のもと行ってください。
PS2を用意する
注意点として、PS2であれば何でも良いわけではありません。
「プレステ2エミュについて語ろう」に、“scph10000はPCSX2でサポートされていませんので、scph10000以外のBIOSを用意してください”とあるように、「PCSX2」を使う場合は”SCPH 10000″以外のPS2のBIOSが必要です。
で「SCPH10000ってなんなん」という話ですが、「プレイステーション2(Wikipedia)」で紹介されている通り、“SCPH~”はPS2の品番を表しており、SCPH10000は一番最初に出たバージョンになります。
さらに、この記事で紹介するBIOSの抽出方法(freeDVDboot使用)では、すべてのスリム型PS2、もしくは動作確認がされた一部の厚型(初期型)PS2が必要になります。
より詳細に言えば、PS2に搭載されているDVDプレイヤーのバージョンを合わせないといけません。
要するに─
厚型PS2 | “SCPH 10000″以外で、かつ“freeDVDboot”がサポートしているPS2が必要 |
薄型PS2 | 特に制限はない?※ネットで動作確認されたものを使えば良いかと |
のどれかを用意しないといけません。

ちなみに、私が購入したPS2は、ネット上で成功例が挙がっていた”SCPH-30000″です。

DVDプレイヤーのバージョンは2.10です。
PS2の本体価格(中古)は、私が調べた時はAmazonだと3,000円~8,000円くらいでした。
PS2以外に必要なもの
一つ目は「I-O DATA ビデオ/VHS 8mm DVD ダビング パソコン取り込み ビデオキャプチャー 「アナレコ」 GV-USB2」。
もちろん、PS2をテレビに接続しても良いのですが、最近のテレビだとアナログ端子が付いていないこともありますし、PC上で確認できた方が作業もしやすいこともあり、購入しました。
二つ目は「Transcend USBメモリ 32GB USB 3.1(Gen 1) スライド式 ブラック TS32GJF790KAE (ecoパッケージ)【Amazon.co.jp限定】」です。
PS2のBIOSの保存先として、USBメモリが必要になります。ネット上では、「USBメモリの容量によって失敗することもあるのでは?」という意見も見られましたが、このメモリはOKでした。
三つ目は、「外付けDVDドライブ」とDVD-R。
「freeDVDboot」をDVD-Rに焼く際に使用しますし、PS2ゲームを.iso化する際にも使用します。
PS2のBIOSを抽出する
※PS2はすでにセット済みとして話を進めていきます
USBメモリをフォーマットする
- USBメモリをPCに差す
- “FAT32(既定)”でフォーマットする
BIOS Dumperを用意する
BIOS Dumper – Binary | ダウンロード |
- 「BIOS Dumper – Binary」を適当な場所に保存し、解凍する
- USBメモリ内に解凍した↑をすべてコピーする
DVD-RにfreeDVDbootを焼く
※注意点として、「freeDVDboot」は厚型(初期型)と薄型で導入方法が異なる。この記事では厚型を例にしていますが、一応、薄型についても紹介しています。ただ、薄型の方法はGitHub内の説明を雑に訳したもので、私が動作確認したものではありません
freeDVDboot ※厚型:Code=>DAWNLOAD ZIP ※薄型:ページ内のPREBUILT ISOs/All PS2 Slims – English language.iso | ダウンロード |
- 厚型PS2:「freeDVDboot」をダウンロードし、適当な場所に解凍する
- 薄型PS2:ダウンロードし、解凍せず置いておく
厚型PS2の場合
- PS2を起動し、本体設定を開く
- DVDプレイヤーのバージョンをメモする(SCPH-3000は2.10でした)
- 解凍したフォルダ内にある「PREBUILT IOSs」フォルダを開く
場所(例):”FreeDVDBoot-master\FreeDVDBoot-master\PREBUILT ISOs” - 自分のバージョンに合った.isoを見つける
※私は”2.10″だったので、「Some 2.10 models and all 2.12.iso」を使った - この.isoをWindows 10の標準機能などでDVD-Rに焼く
薄型PS2の場合
- “All PS2 Slims – English language.iso”をWindows 10の標準機能などでDVD-Rに焼く
USBメモリをPS2にセットする
- USBメモリをPS2にセットする
- PS2を起動する
- PS2の言語を英語に変更しておく
焼いたDVD-Rをセットする

- 「freeDVDboot」を焼いたDVD-RをPS2にセットし、起動する

- PSコントローラの丸ボタン、もしくはそれにあたるボタンを押す

- 「mass:/」を選択し、丸ボタンを押す

- 「DUMPBIOS~」を選択し、丸ボタンを押す
- 画面が暗転するが、そのまま10分ほど放置する
※USBメモリにアクセスランプがあれば、それが目印になる

- PS2からUSBメモリを抜き、PCに差す
- USBメモリにBIOSが抽出されていれば成功
※BIOSは、クラウドストレージなどでバックアップしておくことをお勧めします。
PCSX2を準備する
PCSX2 | ダウンロード |
- 使用しているOSに対応しているバージョンを選択する
※ダウンロードするのは”Installer”の方 - ダウンロードした.exeを実行する

- 「Normal Installation」を選び、「Next」をクリックする
- 「Desktop Shortcut」にのみチェックを入れ、「Next」をクリックする
- インストール先は特に問題が無ければ弄らず、「Next」をクリックする
デフォルトの保存先:C:\Program Files (x86)\PCSX2 - 「Run PCSX2 1.6.0」にチェックを入れ、「Finish」をクリックする

- 設定はあとでやるので、ここでは何も弄らずに先へ
- 最後の「BIOS ROMを選択してください」で止まる
PCSX2にBIOSを移す

- 「エクスプローラーで開く」をクリックし、BIOSのコピー先を開く
例:C:\Users\(ユーザー名)\Documents\PCSX2\bios - そこにPS2から抽出したBIOSをコピーする
- 「完了」をクリックすると、PCSX2が起動する
PCSX2を設定する
PCSX2の設定は、「PCSX2 v0.9.8 日本語版公式設定ガイド」で詳しく紹介されているので、多少読むのが辛くても、一度は目を通しておいた方が良いです。
設定に関しては、このガイドをまず読み、あとは自分なりに調整していくことになります。
PCSX2でゲームを遊ぶ
- 「PCSX2」を起動する
- ツールバーの「CDVD」を開き、「ISO セレクター」を開く
- 「参照…」をクリックし、.iso化したPS2ゲームを選択する
- ツールバーの「システム」を開き、「ISO起動(フル)」を選択する
- ゲームを遊ぶ!
まとめ
以上、”【動作確認】「PCSX2」のインストール方法を紹介する【Windows】”でした。
この方法を確立してくれた方と日本語で解説してくれた方(プレイステーション2のBIOSを吸い出してみよう。(必要なものはUSBメモリとDVD-R)だけです。)に感謝。