【感想・評価】『グッドフェローズ(ネタバレ)』レビュー

クライム映画のレビュー
原題 Goodfellas
公開日 1990年9月19日
出演者 ロバート・デ・ニーロ,レイ・リオッタ,ジョー・ペシ,ロレイン・ブラッコ,ポール・ソルヴィノ
ストーリー 裏社会に足を踏み入れたヘンリー・ヒル。

彼はジミーやトミーたちと組み成功を収めるが、あることをきっかけに次第に追い詰められていく。

ロバート・デ・ニーロ主演のギャング映画『グッドフェローズ』のレビュー。

グッドフェローズの感想/評価

実話ならではのリアリティ

意味が分かると怖いシーン

この映画はヘンリー・ヒルという人物の証言を基にしています。

映画では、”周囲にマフィアがいることが当たり前の環境で育った“ヘンリー・ヒルの人生を子供時代から振り返り、彼が裏社会に憧れ、足を踏み入れ、成功し、転落していく様を2時間半かけてたっぷり描く。

“実話ベース”ということで裏社会の描写はいちいち生々しい。

結束は固いが「使えない」と判断されたものは容赦なく切り捨てられる現実や、ゆえに「結果」が全ての過酷な競争社会の実情を克明に描く。

トミー(ジョー・ペシ)のように、”晴れて正式にマフィアの一員になれる”日に人知れず抹殺されることもある。

また、裏社会における善悪や倫理観についても描かれ、”一般社会では到底受け入れられない”ものの、彼らの中に確かに存在するものへの理解も深まります。

この映画では、“マフィアに憧れた”ヘンリー・ヒルという名の少年を通して、そうしたマフィアや裏社会の現実を見事に描き切っています。

一見すると裏社会の人間は羽振りがよく、贅沢三昧の羨ましい生活を送っているように見えますが、一歩でも足を踏み外すと一般社会の比ではないくらい結果は残酷。

レイ・リオッタの怪演

ロバート・デ・ニーロやジョー・ペシを差し置いて、レイ・リオッタが凄まじいまでの存在感を放つ。

キリッとした青年が一人前のギャングとして頭角を現し、一目置かれ、転落し、最後はコカインに溺れて詰むまでの流れを、「本人が憑依したのか?」というレベルで熱演。

ジミー(ロバート・デ・ニーロ)の残忍性、トミー(ジョー・ペシ)の狂気性も忘れがたいが、成功、失敗、転落を一人で演じきったレイ・リオッタには敵いません。

地味にソプラノズ組が大集合

マフィア・ドラマの傑作『ザ・ソプラノズ』。

実は本作『グッドフェローズ』には、後に『ザ・ソプラノズ』に出演する俳優が多数出演しています。

▼両方に出演している主な俳優▼

俳優 グッドフェローズ ソプラノズ
ロレイン・ブラッコ カレン メルフィ
マイケル・インペリオリ スパイダー クリストファー
トニー・シリコ トニー ポーリー
フランク・ヴィンセント ビリー フィル
ヴィンセント・パストーレ ビッグ・プッシー 従業員
スザンヌ・シェパード カレンの母 カメーラの母
トニー・ダロウ ソニー ラリー
トニー・リップ フランキー カーマイン

まとめ

色褪せないギャング映画の傑作。

実話ベースならではの説得力とリアリティが凄まじく、ロバート・デ・ニーロ、レイ・リオッタやジョー・ペシの演技が作品に命を吹き込む。

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