「プライム・ビデオ(Amazon)」独占配信の刑事ドラマ『ボッシュ』。
この記事ではシーズン1のレビューをお送りする。
シーズン1 感想
ストーリー/ハリー対連続殺人鬼
20年ほど前に失踪したアーサー・ドラクロワという名の少年の白骨死体が発見される。
ハリーはこの事件を担当するも捜査は難航。そんな時、別の殺人容疑で逮捕されたレイナード・ウェイツという男が事件への関与を仄めかす発言をする。他方、政界では次期市長選を巡り、チーフのアーヴィングと、市長選に立候補予定の地方検事との対立が激化していた。
- アーサー・ドラクロワ事件
- レイナード・ウェイツ事件
- 次期市長選を巡る政治ゲーム
シーズン1ではこの3つが複雑に絡み合う。
さらにハリーの母親に関する”暗い過去”も重要な裏テーマとして登場する。
【感想】ハードボイルドな刑事ドラマ
色気のある刑事ドラマ。
主人公を演じるタイタス・ウェリヴァーも含め、”いわゆる”テレビ映えする俳優はほとんど登場しない。さらに出演陣の年齢層は割りと高く、派手な銃撃戦やカーチェイスも皆無なので、非常に落ち着いたトーンでストーリーが展開され、印象としては“刑事のリアルな日常”を淡々と映し出した内容に近い。
徹底した現実ベースの世界観と、人間味のある(作り物っぽくない)キャラクターは最大の魅力であり、このドラマ独特の色気を放っているのだ。
肝心のストーリーは多層的で、二転三転するので最後まで興味が続く。
「二度目は観る必要がない」と感じる”消耗品と化した”ドラマも多いが、『ボッシュ』の場合は当てはまらない。人間模様が複雑かつ濃密。また、無関係に見えた出来事が次第に交差するストーリーテリングも見事であり、ボッシュの過去とトラウマに迫る結末も納得の仕上がりになっており、二度は楽しめる。
さらに、ワンポイント的に登場するボッシュの愛娘マディや前妻エレノアとの交流を描くエピソードは、ボッシュの人間性に幅を持たせる要素になっており、ボッシュと家族の関係性は今後のキーポイントになるはずだ。
感想としては”本国での高評価(レビュー10万件以上、星4.5)“も頷ける一作。
真相と思惑が複雑に交差するストーリーは面白く、銃撃戦やカーチェイスを排除した”ストーリーだけで魅せる”作風も魅力的であり、イッキ見は確実だ。
この記事を執筆した段階で既にシーズン5への更新が決定しており、それだけ視聴者からの支持を受けているドラマなのである。
日本では24のニーナ・マイヤーズ役が有名。