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全体的に粗い吸血鬼ゲーム【評価/感想】Vampyr【批評/レビュー】

RPG
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原題Vampyr
機種PC,PS4,Xbox One
※日本語版無し

ライフ イズ ストレンジ』の「Dontnod Entertainment」が送る、「吸血鬼」を題材としたアクション系RPG。なお、同社としては『Remember Me』以来のアクションゲームとなる。

終盤で一旦リタイア。
あくまでもその時点までの感想ということで読んで下さい。
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Pros

吸血鬼の苦悩を経験させる

本作の育成システムは非常にユニーク。

まず、”XP(経験値)を溜めてスキルを強化していく点は他のRPGと同じ。
だが、本作の場合はミッションクリア時に得られるXPよりも、”人間の血を吸うことで得られる”XPの方が数倍多く、ゆえに人間 or 吸血鬼プレイでは難易度的に大きな差が生まれる。

条件を満たせば一人の市民から5000近くのXPが得られる。
一方で、メインミッションクリアは1000~2000XP程度。
  • 人間の血を吸えばXP(経験値)がたくさん手に入るので、一気にスキル強化できる。
    一方でそれは多くの市民の命を奪うことを意味する。

要するに、これはプレイヤー側にも人間の血を求める動機やそのメリットを用意することで、”(目的は違えど)生き血を求める”主人公の苦悩を、プレイヤー自身にも体験させる工夫であり、”主人公だけが吸血鬼の苦しみを味わっていて、プレイヤーは置き去り”という違和感がない。

なお、仕組み自体は『バイオショック』の「リトルシスターの救済/搾取」に近いが、プレイに与える影響は本作の方が大きい。

常に悩ましいスキルの取捨選択

人間プレイの場合、スキルの取捨選択は常に悩ましい。
一度に得られるXPはそう多くないので、各スキルの特性を見極めた上で無駄なく強化していく必要があり、常に複数のスキルを比較してどちらか一つを選ぶことになる。

ただし、スキルの振り直しはいつでも可能。

濃密な人間模様

意外にも(?)、プレイ時間の大半はADV*。
開発元である「Dontnod Entertainment」の代表作『ライフ イズ ストレンジ』のように、本作もキャラクターとの対話に重点が置かれており、プレイヤーはその際に迫られる「(膨大な数の)選択」を通してゲーム世界に影響を与えていく。

  • プレイ時間の大半はADVパート。
    その中で迫られる”膨大な数”の選択を通してゲーム世界に影響を与えていく。

そして、本作には「名無しの権兵衛」は一人もおらず、登場人物全員に固有の名前とバックグラウンドが用意されており、彼らは独自の人間関係を築いている。

また、大半が主人公とは初対面。
なので、まずは挨拶から入り、後はお得意の話術(選択)をもって彼らを知っていく。ゴシップネタから切実な悩みまで、まるで「噂好きのご近所さん」のごとく情報を集めてゆき、それを武器にゲームを進めていく。

当然、知れば知るほど「選択」は重くなる。
一貫して極悪人であれば切り捨てることも容易だが、どんな人物にも人間的な部分があったりする。その人を知れば知るほど「選択」することは難しくなり、時には”自分の中で納得できる言い訳”を用意した上でタフな決断を下すこともある。

  • 全ての登場人物に固有の名前、バックグラウンドが用意されている。
    濃密な人間模様をベースに「選択」させる

これは上述した「育成システム」の魅力を底上げする。
ほぼ全ての登場人物に人間模様が存在するからこそ、「この男は確かに悪党だが、コイツの命を奪うことはあの子から父親を奪うことになってしまう」という葛藤が生まれ、「吸血」という行為に深みを与える。

  • 登場人物の濃密な人間模様は、「選択」と「吸血」を難しくする

各要素をストーリー/テーマに落とし込む手腕は流石。
濃密な人間模様はストーリーに説得力を持たせ、同時に「吸血鬼」としての葛藤も生む。そして、その葛藤は「主人公の育成」にも影響を及ぼす。

*アドベンチャーゲーム

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Cons(欠点)

戦闘はさらなるブラッシュアップが必要

ADVパートを10点(/10)とすれば、それ以外の部分はその半分。

(遊べる範囲ではあるが)アクションゲームとしてイマイチ。
確かにスピード感はあるものの、それにゲームシステムが追いついておらず、”思うように制御できない”ロックオン機能と、”稀に暴走する”カメラが戦闘に余計な混乱を持ち込む。

また、敵の属性も単に戦闘を複雑化しているだけ。
銃や弓矢は許容範囲だが、こちらのスタミナや体力をジリジリと削る攻撃は理不尽さが目立ち、後述するリスタートの仕様と相まって全く良い印象が持てない。

乱戦時はロックオン・オフの方が遊びやすい。
ただし、ロックオンできないので攻撃の空振りが発生しがち。

さらに、敵の対処法がワンパターン。
敵の種類に限らず攻略法が【スタン】=>【吸血(ゲージを溜める)】=>【特殊攻撃発動】のパターンになりがちで、最初から最後まで似たような戦闘が続く点も、飽き飽きとさせられる部分である。

正直、アクションゲームとしては『Remember Me』の方が数倍上。
バットマン アーカム・アサイラム』のコピーだったので目新しさは無かったが、ゆえにアクションゲームとして一定の質が確保されていた。

無駄な手間を生むリスタート

敵に倒されると別の場所に再降臨する。
一般的なアクションゲームであれば”直前のセーブ・ポイントからやり直し”となるが、本作はあくまでも”再降臨”なので、”倒されるまでに消費した”アイテムは空欄のまま。

一方で、倒した敵は体力全快で復活する。
なので、場合によってはすぐに再挑戦はできず、いったん「隠れ家」まで戻ってアイテムを補充する手間が生まれており、再挑戦のハードルが無駄に高い。

なお、「隠れ家」までの間にロード画面がある場合は道中の敵がリスポンする。
“さっき倒した敵をもう一度倒さないといけない”ということであり、プレイのモチベーションが削がれる。

ボス戦の場合は、倒されそうになったらメインメニューに戻って再ロードした方が無駄がない。

ひどく面倒なエリア移動

とにかく、エリア移動が面倒。
本作には「ファストトラベル」がなく、各エリアを徒歩で移動しないといけない。そして、各ブロックを繋ぐルートは単なる敵対ゾーンになっているだけであり、敵と戦闘する以外の”お楽しみ”がほとんど用意されていない。

また、無駄に迂回させられることもしばしば。
一部の扉が施錠されており、こちら側から開けられないことが多く、その際はわざわざ遠回りして目的地まで行かないといけない(終盤まで来れば解錠されるのでマシになるが)。

前述の通り、本作の戦闘パートはイマイチ。
なので、戦闘パートも”お楽しみ”とは言えず、ゆえに中盤辺りから”戦わずに目的地までマラソンする”ゲームになってしまうので、エリア間の移動は毎回不要に感じる。

もし、各エリアの隠れ家に「ファストトラベル」できたならば、格段に遊びやすかったはず。

面倒なエリア移動は多くを犠牲にする

全体的にコンテンツの質は悪くない。
サイドミッションは「ウィッチャー」シリーズのように小話が面白く、「衛生管理」も市民一人ひとりを治療することでゲームへの変化を生む面白いミニゲームになっている。

ただ、全てに上記の面倒なエリア移動が存在するので、各要素をじっくりプレイすることが億劫に感じられるのだ。

「衛生管理」は、各エリアの市民一人ひとりに薬を渡していく必要がある。
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総評

「ナラティブ」の部分は流石の仕上がり。
“プレイヤーによる選択の積み重ねがストーリーを作っていく”作風は、開発元である「Dontnod Entertainment」の本領発揮と言ったところであり、今回もその強みが随所で見られる。また、「吸血鬼」としての葛藤が楽しめる部分も素晴らしいアイデア。

ただ、旧態依然としたゲームプレイは作品の足を引っ張っている。
未だに散見される細かなバグ、未完成の戦闘システムや古臭いゲーム進行は非常に目立つ欠点。これらは作品全体の質を大きく下げる結果に繋がっており、2018年発売かつフルプライスのゲームとは思えない仕上がりである。

終盤で一旦リタイア。
あくまでもその時点までの感想ということで読んで下さい。
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