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【評価/感想】評判ほど悪くないが…/THE QUIET MAN【批評/レビュー】

アドベンチャーゲーム

『Prey(2006)』の「Human Head Studios」が送る異色のADV。

▼ストーリー▼

摩天楼ニューヨーク。眠らない大都市、そんな喧騒にたたずむ「Club Moonrise」歌姫のララは、ナイトクラブのシンガーとしてその夜も活躍するはずだった。
しかし、その夜は違った。突如現れた「仮面の男」。ピアノの美しい音色は消え、仮面の男はララを連れ去り闇へと消えていった。彼の目的とは・・・歌姫を救出すべくデインは、ニューヨークの街を奔走する。

引用元 – 公式サイト

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気になる点

無声映画である意味とは?

「あなたは初見の映画を無声で最後まで観られるだろうか?」
もし、「はい」と即答できないなら買っても後悔する可能性が非常に高い。

  • 1周目は無声映画
  • 2周目は↑に声が付く

上記の通り、本来であれば一度で二度美味しいゲームのはず。

だが、その野心的なコンセプトは少なくとも現時点では失敗してしまっている。
第一に肝心の無声版が”つまらない”。(2周目との比較はまだ出来ていないので断言はできないが)基本的には有声版から声を抜いただけの内容に感じられ、無声だからこその演出は皆無。なので、ムービー中は”声を消された演者たちのやり取りをただただ見守るだけ”になっており、非常に退屈させられる。

なお、ムービーは5,6分と比較的長め。

個人的には全編無音にする必要は無かったのでは?と感じる。
主人公の症状を「突発的な難聴」に限定し、”ストーリーの核心に迫る部分だけ何らかの理由で聞き取れない”とした方が観ている側も飽きにくいし、何よりも脚本の幅が広がったはずだ。

インゲームとの落差が激しい

  • 実写パート
  • ゲーム内カットシーン
  • インゲーム

今作は上記の3つから構成されており、インゲームの環境ビジュアルはほぼ実写と言えるレベルに到達している。

しかし、肝心の人間モデルがイマイチ。
特にヒロインは実写との落差が激しく、素で別人だと思ってしまった。また、主人公に関してもインゲーム版では実写版の凛々しさが失われており、稀に笑ってしまうほど場違いな表情をすることも。

また、インゲーム時の操作が非常にチープ。
全体的に動作が軽いので人間を操作している感覚に乏しく、実写レベルのビジュアルを誇る環境の中に、明らかなゲームのモデルが紛れ込んでいる不自然さを覚える。

【2度目】環境面は実写レベル

各エリアは非常に作り込まれており、夜の大都市の空気感を見事に捉えている。

だからこそ、探索パートが欲しかった。
文章コンテンツを回収してストーリーを読み解いたり、テレビに映し出されるニュース速報を見たりしてゲーム世界に浸りたい。

本作が意識しているはずのRemedy作品のように。

今のところ、単なる戦闘時の背景になっているので非常に勿体無い。

お粗末な戦闘パートに固執する悲劇

ゲームプレイ=格闘戦

なのだが、格闘メカニックがあまりにもお粗末。
全く重みを感じず、方向も定まらないパンチの繰り返しになっており、”非常に”チープな格闘戦に仕上がっている。これで「GO」を出した開発元の良識が疑われるレベルである。

この程度の格闘戦ならばQTEで代用可。

一人称視点の何かでも良かったのでは?

次に気になるのは、ゲームプレイに難聴設定が活かされていない点。

基本的に、格闘戦は若干横画面からの三人称視点。
これは”プレイヤーは周囲の状況を全て見ることができる”ということであり、主人公は健常者の敵のよりも遥かに有利な立場から戦えるということを意味する。

主人公のハンディキャップがゲームプレイに全く活用されていない。

この部分は”盲目の少女を主人公にした”『Beyond Eyes』が本当に上手かった。
このゲームでは主人公の周囲を白で覆うことで盲目状態を表現し、あえて不便なままプレイさせることで、健常者ではなかなか気づけない日常に潜む危険や、当事者が感じるストレスをゲームプレイを通して描いていた。

その点、本作は何もない。
例えば音が一切存在しない世界を、視覚情報を頼りに一人称視点で探索したり、耳に頼らず潜入・戦闘したり出来れば今よりもよっぽど面白かったはず。そして、何よりも「難聴」が単なる設定以上の意味を持った要素になっていたはずだ。

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『Quantum Break』との比較

“ゲームと実写が一つになっている”点では同じだが、それ以外は大きく異なる。

Quantum Break』は

  • ゲームパートでの結果を受けて内容が変化する

と言った特徴を持っているが、(いまのところ)本作にはそれが無く、単にカットシーンの一部が実写に差し替わるだけ。要するにドラマ(実写)が独立した存在ではない。

本作の場合は「プレイアブル・フィルム」に近い。
端的に言えば”戦闘部分だけ操作可能な映画(もしくはドラマ)”であり、「映画のアクション部分を実際にプレイできたら面白そう」的な発想がそもそもの出発地点のように感じる。

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まとめ

少なくとも欠陥品、駄作の類ではない。
一応、アクションゲームとしては最低限機能しており、ストーリーも何とか興味が持てるレベルである。

ただ、本作以外にも良質なアドベンチャーゲームが山ほどあり、『Quantum Break』という優れた先輩も居ることを考慮すると、それらを差し置いて本作を積極的にオススメする理由は無かったりする。

本文はプレイ途中の感想。
クリア後に加筆修正して完成版として再アップします。

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