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【評価/感想】Hellblade: Senua’s Sacrifice【批評/レビュー】

インディーゲーム
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機種PC,PS4,Xbox One

本作は「Ninja Theory」が【インディペンデントAAA】と位置づける一作。
要するに、インディーゲームよりは予算とボリュームを確保した内容だが、大手メーカーのAAAゲームよりは小規模な作品になっているということであり、クリエイティブな自由度が保たれた規模が大きめのインディー作品である。

【短評】
この作品のキモとも言える精神病をテーマにしたストーリーは、主人公の闇に迫るダークな内容で”最後まで見届けたい”と思わせる出来であり、主人公を演じる役者の演技力も見事だ。
ただ、プレイ面は色々と粗削り。
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評価できる3点

ストーリーとリンクする戦闘

実のところ『Hellblade: Senua’s Sacrifice』は、“アクション色の強い”ウォーキング・シミュレーターになっており、世界観こそ『ゴッド・オブ・ウォー』や『ウィッチャー3』に似ているが、決してそれらのようなアクション主体の作品ではない。

本作のキモは、主人公である女戦士セヌアの心の闇に迫るストーリーテリングだ。
恋人の死によって心のバランスを崩した彼女は、彼の魂を救済すべく危険な「ヘル」に足を踏み入れる。道中では絶え間ない幻覚と幻聴が彼女を苦しめるが、それでも一歩ずつ歩みを進める。

戦闘も、彼女の精神状態を反映

そして、戦闘はこの”主人公セヌアの精神状態を表現する”方法の一つとして存在する。
ゲーム世界のあらゆるものは主人公の精神状態に左右され、戦闘シーンも例外ではない。本作の戦闘では幻影や幻聴に苛まれながら敵と死闘を繰り広げるが、セヌアが勝利を収めるとそれは彼女自身が持つ闇に打ち勝ったことを意味する。

過去のトラウマや心の闇を敵に投射し、強敵を打ち倒すことでそれを克服する重みを表現しており、精神疾患というナイーブな題材を巧みにアクションゲームと融合させているのである。

シンプル・イズ・ベストな戦闘

悪く言えば気品に欠ける、良く言えば一心不乱な戦闘は熱中できる仕上がりだ。

戦闘自体は「攻撃」「防御」「パリィ(跳ね返し)」と言った基本動作のみを押さえたシンプルなものだが、その分だけ余計なことは考えずに無我夢中で剣を振り下ろせるので、シンプル・イズ・ベスト的な良さを感じる。

また、純粋にアクションゲームとしても質が高い。
機敏に動くセヌアは操作性に優れており、彼女の攻撃が敵に刻む痛々しい傷跡や派手なリアクションは優秀。また、“剣の重みを感じさせる”テクニックや、ジューシーなエフェクトも相まって非常に爽快感に溢れる戦闘になっている。

開発元である「Ninja Theory」は、これまでにも『Heavenly Sword』や『Devil May Cry』と言ったアクションゲームを開発しており、それらで培ったノウハウが惜しみなく投入されている。

死亡ペナルティは強烈な存在感

本作の戦闘はどちらかと言えばヌルい方。
操作ミスやロックオンの暴走で倒されることはあっても、相手に丸め込まれることはほぼ無く、上手い人であれば一度も倒されずにクリアできるはずだ。

ただし、本作には”死亡ペナルティ”が存在する。
なんと本作は”死が重なるとセーブデータが強制削除される”というペナルティが存在しており、それのおかげで基本動作を忠実に守り、的確に反撃することを常に意識させられる。

死亡ペナルティの存在感は強烈。
常にピリッとした緊張感が漂っており、ストーリーでもゲームプレイでも「死」を意識させる良いアイデアと言える。

ただ、ロックオンは欠点

  •  戦闘時は常に敵をロックオンした状態
    • 要するに視点固定
  • ロックオンの切り替わりも半自動的
  • 背中からの視点
  •  

なので、複数人相手の時は非常に窮屈に感じられる。
やや俯瞰した視点や視点移動の自由が確保されていれば良かったのだが、それが無いので狭いエリアでは特に窮屈な戦闘を強いられる。

圧倒的な表現力

まず目に付くのがフェイシャルアニメーション。
主人公セヌアの微細な変化も見逃さない表情のアニメーションは非常に優れており、恐怖に恐れおののく彼女の表情を見ていると、こちらも不安な気持ちにさせられるほどだ。セヌアを熱演したMelina Juergensの演技力がそのままゲームに反映されている。

また、【バイノーラルサウンド】を活用したサウンド面にも力が入っている。
ゲーム側が推奨しているようにヘッドホンを装着してプレイすると、「幻聴」や囁き声が鼓膜にストレートに届く感覚を覚え、周辺の環境音の定位感も正確なので非常に高い没入感が得られる。

これはステレオスピーカーでは絶対に味わえない。

バイノーラルオーディオとは、人間の鼓膜に届く音をそのまま再現できるような録音・再生システムのことです。

引用元 – バイノーラルオーディオでつくる「音の世界」

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欠点

パズルは面白みに欠ける

“オブジェクトを重ねて特定の形を作る”アイデアは面白い。

  • 難易度にバラつきがある
  • 飽きるほど数が多い

ただ、上記の2点は看過できない欠点になっている。

より具体的に書けば、パズルでは木や影などを重ねて特定の形を作るのだが、エリア内には他にも木や影は存在する。それはイコール”それっぽく見える”ものが他にも存在するということであり、パズルを解く際に混乱させられる。

なので、基本的にパズルパートでは毎回足が止まる。
非常にテンポが悪く、中盤以降の中弛みを生む原因になっており、個人的にはウォーキング要素とアクション要素の2つだけでも構わないと感じる。

HUDレスの弊害

本作のプレイ画面にはインターフェイスの類が一切表示されず、非常に没入感が高い。

だが、それゆえに「マップが無いので迷子になる」「次に向かうべき場所が分からない」等の問題が発生しており、逆に没入感を削いでしまっていると感じる瞬間が多々ある。

私としては「オブジェクトに色付けして方向を伝える」と言った工夫が欲しかった。

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総評

良くも悪くも、開発元が提唱する【インディペンデントAAA】を体現した一作である。

精神病をテーマにしたダークなストーリーや、最後の戦闘シーンなどは大手パブリッシャを介さないからこそ実現したであろう独創的な要素であり、これこそがインディペンデント作品の強みだと感じる。
その一方で、大手パブリッシャーの”売れ線”から外れたプレイ内容は、面白味に欠けるパズルや不自然なペース配分が散見され、“莫大な予算と人員を割ける”AAAゲームと比べると当然ながら作りは甘く感じる。

確かに、セヌアが持つ闇に切り込むストーリーは力強く、北欧神話と絡めたダークな世界観も秀逸だが、その独創性がゲームプレイとのバーターになっており、良くも悪くも”インディーであり、AAAでもある”一作になっている。

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