【評価/感想】「プレイする映画」/ヘビーレイン【批評/レビュー】

アドベンチャーゲーム
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原題HEAVY RAIN
開発元Quantic Dream
発売日2010年2月18日
備考PS4向けリマスター版が販売中

全編QTE(クイック タイム イベント)のユニークな作品、それが本作『HEAVY RAIN』。

『HEAVY RAIN』は、一貫して映画的なゲームを作り続けるQuantic Dreamの3作目にあたり、『BEYOND: Two Souls』と同じく【インタラクティブ・ムービー】とも呼べる作風なのが大きな特徴。

なお、本作は「プレイステーション」限定で販売される、いわゆる独占ゲーム。

▼ストーリー▼

小さな街で起きた、奇怪な連続誘拐殺人事件を題材にしたサスペンスアドベンチャーゲーム。4人の主人公の視点によって物語が展開され、わずかな手がかりをもとに犯人を追う。

PlayStation

Good

  • ユニークなゲームプレイ
  • 物語・分岐

Bad

  • 稀にQTEが欠点に
  • 全ての謎は明かされない

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最初から最後までQTE

インタラクティブ(双方向)な映画

【プレイする映画】と呼ばれるゲームは数多く存在するが、本作は【インタラクティブ(双方向)な映画】の方がしっくり来る。というのも、本当に”映画を操作して進めていく感覚”がある作品だからだ。

俗に【プレイする映画】と呼ばれるゲームは、ハリウッド映画張りのアクションシーンを実際にプレイできるからこそ、【プレイする映画】と呼ばれる。

一方、『HEAVY RAIN』は映画一本をQTEを通して隅々までプレイさせる作品になっており、プレイヤーは「上着を脱ぐ」「ドアを開ける」などの些細な動作さえもボタン入力して行っていくのだ。

こんな映画を想像して欲しい。”ブラッド・ピットの動きに合わせて逐一アイコンが表示され、それを入力していく”映画を。それがこれである。

このゲームでは決して難しい操作は要求されない。けれども、咄嗟(とっさ)にタイミングを見極めたり、押し加減を調整するといったハラハラする場面も用意されており、プレイ中の没入感は高く、その間は”まるで映画を操作している”気分にさせてくれる。

という理由から私は【インタラクティブな映画】と呼びたい。

入力失敗もアリな「良いQTE」

ゲーマーに「QTEは好き?嫌い?」と聞けば、半数以上は「嫌い」と答えるはずだ。

クイック・タイム・イベント(QTE)と言えば、私を含め多くのゲーマーがネガティブな印象を抱くゲームシステムだと思うが、だいたいは次のような理由だ。

  • QTE失敗=やり直し
    =結果が”成功”のみ
  • 急に表示され対応できずに…

本作にはそんなQTEが全編に渡って導入されているのだが、【仮に失敗しても一つの結果として処理する】としたことで、QTE特有の問題点をスマートに解決しているのはお見事。

「好き?嫌い?」の二択なら「嫌い」と答える私でも、このゲームのQTEなら素直に受け入れられる。【失敗しても一つの結果】としてストーリーが進行するのは面白く、他のQTEを採用するゲームも見習うべきお手本だと思うからだ。

だからこそ、ストーリーに熱中できる

QTEの結果に関わらず先に進むということは、その地点から分岐することを意味する。

例えば、容疑者と対峙する場面では「容疑者を射殺した未来」と「容疑者を射殺しなかった未来」の2つが存在し、もしトリガーを引けなくても物語は進行していくし、トリガーを引いても進行していく。

また、主要キャラクターについても同様。とある場面で、QTEに失敗してそのキャラクターが退場しても、やはりそれも一つの結果として処理され、先に進んでしまうのだ。

どんな結果でも先に進むことは、”能動的に”物語に参加している感覚をプレイヤーに植え付ける。
この”自分の操作が物語を変化させる”事実こそが、一方通行の映画やドラマにはない緊張感を生んでいる。
実際にコントローラを強く振り落とし、主人公の指を切断するシーンは、単にそれを見ているだけの映画やドラマとは比較にならないほど、感情を揺さぶるものがある。

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オムニバスなストーリー

操作キャラクターは4人。

名前紹介
Ethan Mars息子が誘拐され、犯人に脅迫されている。
Norman JaydenFBI捜査官。上記の事件を捜査する。
Madison Paige 新米記者。とある事件を調査している。
Scott Shelby私立探偵

ストーリーは、4人の視点から「折り紙殺人事件」と呼ばれる事件を追うオムニバス形式になっており、チャプター毎に操作キャラクターが入れ替わり、各々の角度からストーリーを読み解いていく。

確かに、今から思えば「あんなことは可能なのか?」や「あれはどうなった?」と感じることは多いが、それでも中盤以降の盛り上がりには満足できる。
とくに終盤の盛り上がりは、主要キャラクターが複数人おり、操作キャラクターを交互に入れ替えるからこそであり、ストーリーとゲームプレイが見事に絡み合っている点も書いておきたい。

余談だが、本編を補完するはずだったDLCはキャンセルされている。

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総評

大作並の予算を投じ、全編QTEのゲームを作るというのは”危険な賭け”だったはずだ。

『HEAVY RAIN』は、ゲームだからこそ可能な表現を武器に、一方通行の映画やドラマでは到底マネできない【インタラクティブな映画】を作り上げており、見事その賭けに勝って見せた挑戦的な一作だ。

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