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サバイバルとノーマルで二周した上で、率直に語る【評価・感想】『Days Gone(デイズ・ゴーン)』レビュー

3.5
ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約9分で読めます。
原題Days Gone
対応機種PC,PS4,PS5
プレイ時間37時間~

『Days Gone』は、2019年に発売されたオープンワールド”ゾンビ”ゲーム、もしくはオープンワールド”バイク”ゲーム。

プレイヤーはバイカーのディーコン・セントジョンとなり、生き別れとなった妻”サラ”を見つけるべく、フリーカー(ゾンビ)や悪党が支配する危険な世界をバイクで突き進んでいく。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価(PS4版/PC版※プレイ時の最新アプデ適用)

オーソドックスなオープンワールドゲーム

『Days Gone』は、2016年のE3で大々的に発表された大作ゲームの一つであり、その”次世代のゲーム”を感じさせる高い表現力や、往年のゾンビ作品を彷彿させるサバイバルホラーが大きな話題を呼んだ。

ただ、発売までにそれから3年も要することになり、その間に『アサシンクリード オリジンズ』や『レッド・デッド・リデンプション2』、『メトロ エクソダス』等と言った”オープンワールドゲームを代表する”作品が続々と発売されたことで、ようやく『Days Gone』が発売された頃には、発表時の輝きはどこかへ消えてしまっていた。

『レッド・デッド・リデンプション2』や『メトロ エクソダス』は、高い表現力を武器にした没入感の高いゲーム世界を作り上げ、『アサシンクリード オリジンズ』は、広大な古代エジプトを丸々再現し、その上で、アクションでもステルスでも遊べる自由度の高いゲームプレイを実現していた。

対して『Days Gone』は、『ファークライ3』辺りの一昔前のオープンワールドゲームのテンプレートを再利用したような作品になっており、(当時の)現行ゲーム機が成熟期を向かえ、オープンワールドゲームも次の段階へと進み出していた時に、満を持して登場した期待のオープンワールドゲームとしては正直・・時代遅れに感じるゲームだった。

確かに、オープンワールドゲームとしては手堅くまとまっていて、アクションもステルスも安定して楽しめる完成度の高さはあるし、シューティングの手触りも決して悪くなく、オープンワールドゲームとして必要なコンテンツも揃っている。

しかし、オープンワールドゲームをよく遊ぶ者としては、それらはすでに『ファークライ3』以降のオープンワールドゲームで散々遊んだものだし、バイクを車に置き換えれば、実はやっていることは、『マッドマックス』とほとんど変わらないという事実にも気付いてしまう。

決して悪いゲームではないのだけれど、「面白い!んだけど、2019年に発売されたオープンワールドゲームとしては…」と感じさせる作品ではあり、類似作と比べると、本作ならではの面白さに欠ける。

まあ、この辺りはよくオープンワールドゲームを遊ぶ人間だからそう感じるだけで、そうした人でなければ、手堅く楽しめるオープンワールドゲームになっているとは思うが。

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オープンワールドゲームとしては

オープンワールドゲームとしては、『ファークライ3』と『マッドマックス』をミックスした感じ。

マップ情報を更新する、ファストトラベル地点をアンロックする場所として「野盗のキャンプ」や「検問所」があり、アイテムを売買したり、ミッションを受注したりする場所として、拠点のキャンプが各地にある。

一方で、ゲームプレイ面は、こちらも「ファークライ」のようにアクションでもステルスでも遊べる自由度の高さがあり、真正面から敵と撃ち合うことも、隠れる場所としての草むらを上手く利用して敵をステルスキルしていくこともできる。

なお、銃撃戦は周囲のフリーカー(ゾンビ)を引き寄せてしまう危険性があり、そうしたリスクと隣合わせで戦わないといけないというのは、このゲームならではのスリルある戦闘になっている。

本作ならではの面白さで言うと、バイク旅が結構楽しい。

主人公は”バイカー”ということで、移動手段はバイクのみ。そして、ゲームとしてもバイクへのこだわりが強く、豊富なカスタマイズや給油システムなど、他のオープンワールドゲームよりも気合が入っている。

やはり、苦労してカスタマイズしたバイクを走らせるのは楽しく、かつ『レッド・デッド・リデンプション2』の馬のように、バイクの世話をしながら旅をしていると愛着も湧いて来る。また、バイクの挙動が割りとチャレンジングなので、じゃじゃ馬を手懐けるように操作するのも面白い。

加えて、車ではなくバイクというのがミソで、フリーカーなど危険でいっぱいの世界を、走行中は無防備になるバイクで走り抜けるというのは、それだけでもスリルがあり、ダラダラしがちな移動をピリッとした締りのある体験にしてくれる。

私はノーマルとサバイバル(最高難易度)で二周したが、オープンワールドゲームでは珍しく、ほとんどファストトラベルを使わずにバイクで移動していた(※サバイバルはファストトラベル不可)。それくらい、バイク旅が楽しかった。

ワイヤートラップに引っかかった瞬間

しかし、バイク旅には”難点”もある。

たまに道路で野盗が待ち伏せしている時があり、道路に張られたワイヤーに引っかかると、バイクごと転倒させられるのだが、これがめちゃくちゃウザイ。ワイヤー自体、遠くから見えるようになっていないし、仮に気が付いても、スピードを出しているとどうすることもできない。たまにスナイパーに狙撃されることもある。

急にバイクが転倒して移動を妨害されるというのは、文字で見るよりストレスが溜まる。せっかく気分よくバイクを走らせていても、これに遭遇するとプレイする気力が一気に失せる。

ちなみに、そうした野盗の待ち伏せは付近にある野盗のキャンプを制圧することで無くせる(もしくは発生頻度を大幅に下げられる)。

全体的にオープンワールドゲームとして既視感は強いが、主人公はバイカーという設定やバイク旅はユニークさを感じさせる要素になっており、たまにイライラさせられることはあっても、この部分は最後まで楽しく遊べた。

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欠点は無駄に長くて、反復的なところ

昨今のオープンワールドゲームの中でも、クリアまでは特に長い方。

プレイ時間を集計する「HowLongToBeat」によれば、メインミッションのクリア時間は37.5時間となっており、一般的なオープンワールドゲームのそれと比べると、約1.5倍のボリュームと言える。私の肌感覚でも、大体それくらい。

しかし、本作の場合、本来ならサイドミッションにすべきものをメインミッションに組み込んでいるので、ボリュームはあるけど、個々のミッションは薄く仕上がっており、薄味の料理を延々と食べさせられているような感覚がある。例えば、サイドミッションでも遊べる「敵対キャンプの制圧」や「フリーカーの巣の破壊」などがメインミッションにも登場する。

稀に「ただ声を掛けに行くだけ」「ただ会話するだけ」というミッションもあり、そんなことのためにわざわざミッション開始地点まで移動させられたのだと思うと、その時間が本当にもったいなく感じる。この程度であれば無線で済ませて欲しい。

あと、ストーリーのテンポも悪い。

そもそもストーリーのエンジンが掛かり出すのが”中盤の終わり頃”と遅く、それまではストーリーの背景を語ったり、次へ進むための準備に費やされる。また、クライマックス付近も間延びしていて、「このままクライマックスに突入か!」と期待させるも、またダラダラと”決戦の準備”が始まってしまい、完全に冷めてしまった。

もし、現在の2/3くらいのボリュームで、メインミッションとサイドミッションをきちんと分けていれば、今よりもゲームへの印象は良くなっていたと思う。

また、各地区で毎回同じことをやらされるのも、嫌気が差してくる。

マップには全部で4つ(厳密には5つ)のキャンプがあり、そのそれぞれで信頼度を貯めないといけない。そして、信頼度によって購入できるアイテムやバイクの部品が変わる。さらに、各地域でクレジット(お金)も異なるので、いくら他の地区でお金を持っていても、わざわざ今いる地域でもお金を貯めないといけない。

  • 全4つのキャンプで、それぞれ信頼度を上げないといけない
    ※信頼度は店の品揃えに影響する
  • 各地域で、使えるクレジット(お金)が異なる
    ※その地域ごとにお金を貯めないといけない

さすがに最後の地域は、ある程度アイテムがアンロックされた状態ではあるが、こうした仕様によって、特に中盤までは、たった100クレジットのアイテムを買うためだけに、わざわざ別のキャンプまで移動 or ファストトラベルしないといけない事態が発生する。

確かに、「それぞれのキャンプは独立している」「信頼できないヤツにモノは売らない」という理屈は理解できるのだが、それが実際にゲームに組み込まれてしまうと、ただただ時間と手間が掛かる。

4つのキャンプが独立していることが「ストーリー上、重視か?」と言われると、必ずしもそうではないので、全地域でキャンプへの信頼度やクレジット(お金)は統一して欲しかった。

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サバイバル(難易度)は究極のDays Gone…?

二周目は刺激を求めて最高難易度「サバイバル」で遊んだが、正直ノーマルとあまり差がなかった。

ノーマルとサバイバルの主な違いは以下の通り。

  • ファストトラベル不可
  • 敵の攻撃力と耐久性の増加
  • HUD非表示(一時的に表示させることはできる)
  • 敵やアイテムを強調して表示できなくなる(目と耳が頼り)

確かに、序盤こそフリーカーや野盗に対して劣勢で、”サバイバル”の名に恥じない硬派なサバイバルホラーが楽しめるが、ある程度・・・・装備やスキルが整って来る中盤以降は、ノーマルとの差が縮まる。

正直、「ローリング」や「フォーカス(スローモーション)」があまりに強すぎて、「回転」=>「起き上がる」=>「フォーカス」=>「撃つ」のセットを守っていれば、フリーカーや野盗の集団に襲われても難なく対処できてしまい、敵が全然怖くない。

「フリーカーの大群」も、主人公の全能力を最大値まで上げて、スキルもすべてアンロックしていれば意外と簡単に一掃できる。

となると、「サバイバル(難易度)」は、単に”ファストトラベル不可のモード”となり、「オープンワールドゲームで、ファストトラベルは絶対に使いたくない」という人以外は、わざわざ遊ぶ意味があまりないなと。

少なくとも序盤は、手探りでゲーム世界を探索し、遭遇する野盗やフリーカーなどが脅威に感じるというように、『Days Gone』の世界に見事に合った遊びが楽しかったので、この難しさを最後までキープして欲しかった。

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総評

本作は、プレイ前の期待値を超えることはなかったが、一方で、最後まで安定して楽しめるオープンワールドゲームではあった。

既視感が強かったり、ゲーム内容に偏りがあったりなど、2019年頃に発売された他のオープンワールドゲームと”タメ張れる”ゲームではないけれど、どの要素もそれなりに完成度は高く、バイク関係も、時間は掛かるがじっくり遊ぶ価値はあると思う。

現在では価格改定もされ、発売時の動作不良も解消していて、PCやPS5ではより安定した状態で遊べるので、個人的には、気になった人は今が遊び時だと思う。

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初版:2019年5月3日 12:40 AM

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