色褪せない”そこを歩くという、恐怖”【評価/感想】バイオハザード HD リマスター【批評/レビュー】

サバイバル/ホラーゲーム
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今回レビューする『biohazard HD REMASTER』は、1996年に発売されたシリーズ1作目『バイオハザード』のリマスター版。

公式サイトでも紹介されている通り、リマスター版ではグラフィックを始め、ゲームプレイ周りも大幅に変更されており、見事にモダン化されている。

▼ストーリー▼

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色褪せない、”そこを歩くという、恐怖”

姿が見えない恐怖

『バイオハザード』の冒頭シーン。あまりにも有名なゾンビが振り返る場面。

固定カメラが独特の「恐怖」を演出する。

多くのゲーマーにとっては今さら説明不要だが、本作は近年のバイオハザードシリーズとは異なり、ゲームプレイ時は固定カメラのみ。なので、今では見慣れた一人称視点(FPS)や三人称視点(TPS)を前提としたホラー演出は皆無で、視覚的に訴えるという点では圧倒的に不利である。

にも関わる、本作は怖い。
この怖さの根源はズバリ「固定カメラ」。確かに”カメラの制約”は表現に制限を与えるものだが、それを逆手に取ることで独自の恐怖体験を完成させており、本作は”姿が見えないからこそ”怖いのだ。

あまりにも有名なゾンビとの初遭遇シーン。
これまた有名な”ゾンビが振り返る”ムービー後のプレイでは、ゾンビが死角からゆっくりと主人公の方へと歩いて来るが、”固定カメラが生む死角”によってゾンビの全身が見えず、ようやく見えた頃にはゾンビが”文字通り”目の前まで迫っている。

それ以外にも、姿は見えず「うめき声」や物音だけが聞こえることも多い。
こうした、画面が切り替わるまで”それ”がどこにいるか分からない恐怖は本作ならではの点であり、固定カメラだからこそ、”ただゆっくりと迫って来るだけの”ゾンビでも脅威に感じられる。

シビアなリソース管理も恐怖を与える

プレイ画面。本作は固定カメラになっている。

基本的にアイテムは有限。
弾薬はもちろん、セーブする際に必要な「インクリボン」も有限になっており、何も考えずに消費していると”後の劣勢”へと繋がっていく。

さらに所持アイテムの数にも上限が設けられている。
ミッションアイテムも、一般アイテムと一緒くたにされるので、適当に管理していると何度も「アイテムボックス」を往復するハメになる。

  • 有限アイテムを有効活用する
  • 所持アイテムを上手く管理する

この二段構えのサバイバルが本作の特徴。

そして本作の作風として”オープニングからエンディングまで地続き”。
なので、一つの選択が必ず後のゲームプレイに影響を与える仕組みになっており、その永続的な選択が”長いスパンでリソース管理する楽しさ”を生み、チャプター毎にリセットされるゲームとは違った面白さへと繋がっている。

「ベリー・イージー」という助け舟も

なお、リマスター版は「助け舟」が用意されている。
新たな難易度「ベリー・イージー」でプレイすれば、適度なサバイバル感を残しつつサクサクとプレイできるので、難しくて敬遠している人でも最後まで遊べるはずだ。

※1周目は「ベリー・イージー」でクリア

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充実したゲームプレイ

とあるパズル。パズルの割合が多く、難易度もなかなか手ごわい。

探索/パズル/戦闘が過不足なく用意されている。

エリアを探索する中でアイテムを見つけていき、入手できる手紙やメモからストーリーの側面を読み解いていく。また、パズルは”小粒ながらも”試行錯誤して解く楽しさが確保されており、戦闘もスローテンポなゲームプレイに緩急を付ける存在として機能している。

特に戦闘に関しては、ゲーム進行に合わせて異なるゾンビが登場したり、ゾンビの大群がエリアに雪崩込んで来たりするので、”作業的になりがちな”探索に良い緊張感を与えてくれる。

探索/パズル/戦闘の3要素は本作に欠かせない要素であり、このバランス感覚こそが本作を本作たらしめるものだと感じる。

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欠点、所持数制限は面倒

本作の「アイテム管理画面」。アイテム数には厳しい上限が設けられている。

▼リマスター版の主な特徴▼

  • ベリー・イージーの追加
  • グラフィックを刷新
  • ワイド画面を導入
  • アレンジ操作を搭載

リマスター版としては非常に完成度の高い一作。
“取っ付きにくさ”を感じるオリジナル版の特徴を改善しており、私のような現在のバイオハザードだけを知るプレイヤーでも十分プレイできる内容になっているかと思う。

ただ、個人的には「所持アイテム」にもメスを入れて欲しかった。
リマスター版を機に「(ミッションで使用する)キー・アイテム」と「一般アイテム」を分けてくれれば、「アイテムボックス」を往復する手間が省けたので相当プレイアビリティが高まったはず。

このリマスター版ではゲームプレイにも大幅な変更が加えられているので、個人的には「アイテム管理」の仕様も見直して欲しかった。

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総評

とあるボス戦。基本的にボス戦もギミックを活用するものが多い。

まず、リマスター版としては理想的な仕上がり。
オリジナル版の取っ付きにくさを感じる特徴を改善しており、見事に復刻させている。

また、ゲームとしては「あくまでもアドベンチャーゲーム」と位置づけたことで、それ自体が後発には無い魅力を生み、”ゾンビの気配”を感じつつ洋館を探索し、パズルを解いていくのは今でも十分に面白く感じる。

本作はシリーズにとっても、「サバイバル・ホラー」というジャンルにとっても偉大な一作である。