『Grand Theft Auto Liberty City Stories』は衝撃的だった。

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トニー・シプリアーニ。『グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ』より。

「最も衝撃的だった”ゲーム体験”は何だろうか?」

“三度の飯よりもゲームが好き”と断言できるゲーマーであれば、こうした体験の1つや2つはあるだろう。

私にとってのそれは、『Grand Theft Auto Liberty City Stories(グランド・セフト・オート リバティシティストリーズ)』での体験だ。

「ゲーム脳」なる言葉が独り歩きしていた頃、私はまだまだ”和ゲー(国産ゲーム)”ばかり遊んでいた。『スーパーマリオサンシャイン』や『ルイージマンション』と言った任天堂ゲームに始まり、三國無双シリーズやモンスターハンターシリーズなど、雑食気味に様々なゲームを遊んでいた。

そんな”和ゲー”ばかり遊んでいた私だったが、あるゲーム屋さん”での出会いがその後のゲームライフを大きく変える契機となった。

R星のセンス爆発のパッケージアート。『グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ』より。

あるとき、私は少ない小遣いを握りしめ店内を物色していた。お目当てのゲームは特に無かったのだが、とにかく”安くて長く遊べる”ゲームを探していたのだろう。

そのときに、↑の”絵”がプリントされたパッケージが目に入った。それは明らかに“異質”だった。周りのパッケージには、愛嬌のあるキャラクターがプリントされているにも関わらず、これには「銃」「車」「オンナ」が独特のタッチで描かれていたのだから。

そしてよく見ると英語版(輸入盤)で、パッケージ裏の説明文なんて全く読めなかった。しかし、このパッケージの発する存在感を無視することは出来なかった。

ただ、これを買うのはある種の博打だった。少ない小遣いでやりくりしている者にとって、得体の知れない謎のゲームを買うのはリスクが大きすぎる。「ある程度出来が保証できるみんGOLを買うべき?」「いやいやモンハンでしょ?」などなど、色々な考えが浮かんでは消えて行った。

しかし、気が付くと私はその謎のゲームをPSPに差し込んでいた。

銃を手に中華街を闊歩するトニー。『グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ』より。

「どうすればいいんだよ…?」

初っ端から戸惑いを隠せなかった。というのも、このゲームは開始5分ほどで”自由行動”になるのだが、私は過去にそんなゲームを遊んだことが無かったからだ。

中華街の端っこで呆然と立ち尽くす主人公と、画面のこちら側で思考停止している私。何となくマーカーの示す方向へ移動し始めたのだが、依然として何をするゲームなのか理解できていなかった。

そんなとき、誤操作が原因で路駐されていた車に乗り込んでしまった。「へえ、車に乗れるんだ」なんて思いながら、さっそく車走らせてみたのだが、見事に通行人をハネてしまった。

さっきまで歩いていた人が道端に倒れ、大量に出血している。そして救急車がやって来て救命処置をする…。

この一連の行動を目にした瞬間に、これまでのゲームの常識が全て崩壊した。それと同時に心臓の音が聞こえてくるほどの興奮と、身震いを覚えた。

現実世界の法則を持ち込み、その中で好きなように遊ばせるゲームデザインは、当時の私にはあまりにも刺激が強く、これまでのゲーム体験が色褪せてしまうほどのインパクトがあったのだ。


…そんなことをiOS移植版を見ていて思い出していた。

私のゲームライフにおいて、これを上回る「衝撃」「体験」はない。私にとって初の次世代機向け(当時)ゲームだった『Grand Theft Auto IV』にも、同様に衝撃を受けたが、この体験を超えるほどではなかった。

これ以降、私は洋ゲーに傾倒していくことになり、今に至る。