Quantum Break【感想 評価 批評 レビュー】

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Time is Power

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本作『Quantum Break』は、独自の演出方法を用いて力強い物語を描くことに定評がある、Remedy Entertainmentが今年4月に発売した一作になる。今作でRemedyはビデオゲームと実写ドラマの「連動」を目指し、豪華出演陣による実写ドラマとアクションゲームを連動させるという野心的な試みに挑戦している。

Good

  • TPS
  • 良質な物語
  • 実写ドラマの内容

Bad

  • ゲームパート以外に比重が置かれ気味
  • テンポを悪くしている読み物
  • それほど意味を成さない選択

ビデオゲーム+実写ドラマ

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一部のレースゲームを除き「Remedy Entertainment」の作品は、どれもビデオゲームと実写映像の融合に挑戦していた。例えば01年に発売された『Max Payne』では、脚本を書いたSam Lake氏の顔をキャプチャーして主人公に使うことで、インゲームとカットシーンの境界線を曖昧にすることに成功していた。また、『Alan Wake』ではゲーム内のテレビ番組に主人公の実写版を登場させることで、プレイヤーを複雑な構造の物語に誘い込む工夫がなされていた。

本作『Quantum Break』もそうした流れを汲んだ作品になっているのだが、それらとは少し異なる部分もある。具体的に言えば、本作はビデオゲームと実写ドラマの「融合」ではなく「連動」なのだ。

先ほど例として挙げた作品はどれも、「ゲーム」と「実写」は切っても切り離せない関係性で二つは正に融合していた訳だが、『Quantum Break』の方は「ゲーム」と「実写」はそれぞれ別々の物として存在している。あくまでも実写ドラマはゲームパートの結果を受けて「連動」するだけであり、これまでのRemedy作品とは少し異なる構造になっている。

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ゲームパートの終盤に「タイム・ジャンクション」なる分岐点が用意されている。正にここが次に流れる実写ドラマと連動するポイントになっており、この時の選択が物語全体に影響を及ぼすことになる。

やはり、ここでも面白い工夫が施されている。それは選択するのが主人公ではなく宿敵であるところであり、ここでプレイヤーは宿敵に成り切って主人公に不利な選択をしても良いし、またそれとは逆のことをしても良いのだ。更に物語の進行上、主人公(プレイヤー)は知っているが宿敵は知らない事実が存在するのだが、それを利用して宿敵をミスリードしてやることも出来るなど、単なる通過点になっていないのは面白い。

また、そうした自分の選択によって次に流れる実写ドラマの内容が変化するというのは斬新。これは一方通行のテレビドラマでは不可能なことであり、ビデオゲームと連動した本作ならではの点と言える。加えて、実写ドラマとゲームパートが交差する展開も本作ならではで面白く、単にビデオゲームに実写ドラマが付いただけになっていないのは特筆すべき点。

ビデオゲームと実写ドラマの連動は、概ね成功している。この計画を初めて耳にした時は「期待と不安が半々」だったが、確かにこの二つを連動させる意味は感じられたし、アイデアだけが先走った結果にはなっていない。

ごちゃ混ぜの撃ち合い

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基本的に銃撃戦では、いくつもの特殊能力を組み合わせて戦うことになる。今作の作風は『Max Payne 2』に近く、シビアな撃ち合いよりも主人公の超人的な能力で敵を翻弄していくことに重点が置かれており、端的に言えば「気持ちが良いTPS」になっている。

しかし、単に撃ちまくるだけではなく、しっかり考える余地も残されている。具体的に言えば、どの特殊能力にも使用制限が設けられており、中には主人公の特殊能力が利かない敵も存在するのだ。撃ち合いでは、まるでお好み焼きのように様々な特殊能力をごちゃ混ぜにして戦うわけだが、「ソースは生地に混ぜない」のと同じで、それぞれに使うべきタイミングや塩梅があり、プレイヤーは状況に合わせてそれらを使い分けることになり、見た目は大味だが味は悪くないのだ。

また、敵を次々と狩っていくかの如くスピード感がある撃ち合いも面白い。先述した特殊能力を組み合わせれば、Max Payneとは別次元とも言えるスピード感ある撃ち合いになり、正に息する間もないほどである。

様々な特殊能力に加えて、主人公の周囲に一時的なバリアを張る「Time Shield」や、遮蔽物に合わせて自動的に姿勢を低くするカバーシステムの存在によって、カバーを中心に戦う在り来りなTPSとは一線を画することも出来ており、枠に囚われない斬新なTPSに仕上がっている。

「一時停止」が多いゲームパート、そして相変わらずの…

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撃ち合いは非常にスピード感があるというのは既述した通りなのだが、それ以外のゲームパートは大きく異なる。例えば、今作にはゲーム内に膨大な量の読み物が用意されているのだが、それを読む為に足を止めることが非常に多い。

今作はカットシーンや実写ドラマに加えて、こうした文章コンテンツも物語を理解する上で重要な要素になっているので、無視して進むわけにはいかず、それを見つける度に「読書時間」が始まってしまう。これに加えて、レベルアップに必要な「クロノン ソース」をエリア内から探す出す作業も蛇足感が強く、この一歩進んでは「一時停止」を求めるような作りは数少ない欠点になっている。

また、これはRemedy作品ではお馴染みではあるのだが、やはり今作も最初から最後まで敵の種類に大きな変化が無い。ただ、これは相手が人間である以上は仕方ないことなのかも知れないが…。

総評、唯一無二の体験

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これまでRemedyが挑戦してきたビデオゲームと実写ドラマの融合から一歩引き、「連動」という方式を採用した本作『Quantum Break』。プレイヤーの選択が実写ドラマの内容を影響を及ぼす体験は唯一無二であり、それが本作の強みと言える。

その一方で、肝心のゲームパートが実写ドラマに押され気味で出番が少なく、更に物語の分岐も然程大きな影響を及ぼなさいと言った弱みもあり、全体的に一癖ある作品になっている。

確かに枠に囚われない斬新なTPS面は非常に質が高く、シューターファン必見ではある。しかし、他の大作ゲームと比べると限られた層に向けた作品になっており、本作の方向性をきちんと理解した上で遊びたい一作になっている。

第一印象、Time is Power (1)

読み物として面白い (2)

しっかり工夫されている (3)

超人的な能力を駆使して (4)

一周目を完走 (5)

16.11.14 加筆修正

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