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リンカーン、怒りの反復作業。マフィア3(MAFIA III)【感想 評価 批評 レビュー】

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MAFIA 3 プレイ日記一覧

  1. 復讐劇の始まり
  2. かゆいところに指も届かない
  3. 28時間で完走

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実に6年ぶりの新作となった本作『MAFIA 3』。元々の開発元は解散し、前作の開発元も吸収合併されたこともあり、本作は2K Gamesの新設スタジオである「Hanger 13」が開発を担当した。

古き良き時代を舞台に、イタリアンマフィアの暗躍を描いた過去作から一転し、今作ではベトナム戦争から帰還した黒人を主人公に、公然と人種差別が行われていた激動の時代を描いている。

また、ゲームプレイ面では、従来のチャプター式からオープンワールドゲームへと大転換しており、色々な意味で、過去作とは大きく異なる最新作になっている。今作では、自分の好きな順番でメインミッションを遊び、その合間にサイドミッションも遊ぶことが出来る。

さらに過去作とは同じ世界を有している。というのも一作目の主人公をアレした前作の主人公が、腹心の一人として登場しているからだ。ただ、あくまでも過去作との繋がりはファンサービスレベルなので、今作から遊んでも全く問題ない。

Good

  • 楽しい撃ち合い
  • 手軽なステルスプレイ
  • 野心的な「会合」
  • 首尾一貫した物語

Bad

  • 未だに散見されるバグ
  • 反復的な作業の繰り返し
  • 全く活かされていないマップの下半分
  • 通報システム
  • ファストトラベルがない
  • 全体的に作りが甘い

良くも悪くも、目的に向かって一直線に進む

『MAFIA 3』は復讐の物語だ。敵に家族や友人を惨殺された主人公が、血の復讐を果たす物語で、彼の全ての行動がその復讐へと繋がっている。

復讐を果たす為に主人公は、敵の裏ビジネスを一つずつ強奪し、幹部も一人ずつ葬り去る計画を立案する。敵組織の体力を奪い、相手が孤立無援になった瞬間にケリを付ける目論見で、非常に理に適った作戦だ。

基本的に、ミッションもこれに準じた内容になっている。すなわち「裏ビジネスを強奪する」「幹部を排除する」ことを繰り返す内容になっているのだ。そして、その下にも「情報屋を締め上げろ」や「xxを破壊しろ」と言ったものがぶら下がっており、こうした反復的な作業のセットがクリアまでに何度も待ち受けている。

これは『Assassin’s Creed Syndicate』の「制圧アクティビティ」に近い。「制圧アクティビティ」では、一つのエリアを支配下に置くために、「敵の幹部を暗殺する」や「敵のエリアを解放する」などと言ったサイドミッションを全てクリアする必要があったが、本作はこれをメインに据えたものだと考えれば良い。

私は「制圧アクティビティ」については、次のように書いている。

様々なアクティビティを制圧アクティビティの下に置くことで、プレイヤーにそれらを半ば強制的に遊ばせるという試みだと思われるが、如何せんそれらアクティビティが何時ものUbisoftの水増しアクティビティになっているので、いくつか遊ぶとそれ以降は作業になる。

引用 – 水増し感のある制圧アクティビティ (2)

『MAFIA 3』にも同じことが言える。決められた「損害額」に達するまで、同じような作業を繰り返す必要があり、その後にようやく中ボス戦的な「幹部との対決」が待っているのだが、これもやはり毎回コピペに近い内容であり、同じ攻略法が毎回通用してしまう。

しかし、こうした作業の果てに用意されているボス戦だけは、特別な舞台と演出が用意されている。時にはビルに押し入り、時には豪華客船に乗り込みボスと対決するので、なかなか凝っていて面白く、こうしたものがもっとあれば良かった。

はっきり言って芸はない。過去作と比べると、ミッションの多彩さという点では明らかに後退している。後述するように、反復的な作業の中にある自由度は面白いのだが、残念ながらコピペミッションを誤魔化すほどではない。

自由度のあるサンドボックス型ミッション

確かにプレイ時間の大半は反復的な作業に費やされる。しかし、ミッション構造自体は『Far Cry 2』や『Watch Dogs』と同じように、“目標だけが指定されて後は好きに遊べる”タイプなので、その単調さに飽々することは意外と少ない。

大半のミッションは銃を乱射して攻略することも、闇に紛れて一人ずつテイクダウンしていくことも可能で、TPSとしてもステルスゲームとしても手堅い作り。

TPSとしては銃声や反動が心地良く、敵の反応も悪くない。更に敵はプレイヤーを見失うことがあり、その際はベトナム仕込みのゲリラ戦的な戦い方に持ち込める。また、被弾した場所によって即死したり、痛みに悶絶したりする凝ったところも面白く、私はいつも腹部を撃ち抜き、敵の苦しむ姿を観察している。

ステルスプレイとしては「口笛(誘導)」、「死体運び」や「テイクダウン」などが用意されており、必要最低限のものは揃っている。それ自体は『Watch Dogs』並のカジュアルなものだが、様々な層のプレイヤーが気軽に挑戦できる良い塩梅になっている。

また、プレイを補助するガジェットやサポートも充実しており、それらを組み合わせてあの手この手でミッションを攻略していくのは面白い。警察の手配を解除してもらったり、仲間を派遣してもらい敵を片付けさせることだって可能だ。

だが、先ほども述べたようにコピペミッションを誤魔化すほどではない。しかし、そこに面白さを見出だせるプレイヤーにとっては、だましだまし遊べる要因になるだろう。

野心的な「会合」、もうひと工夫欲しい人種差別

敵から強奪したシマを、腹心らに分配する「会合」は野心的なゲームシステムだ。一人を贔屓にしていると、他の腹心が反旗を翻す可能性があり、主人公と腹心らの思惑が激突する「会合」は面白い。この腹心にシマを分けた時の「特典」は欲しいが、「あっちにも分けないと刃先がこっちに向くよな…」なんて考えさせられるのだ。ちなみに、腹心にシマを与えると上納金や特典を得ることが出来るが、一度決めると後から変更はできない。

欲を言えば、腹心の不満が主人公だけに向くのではなく、主人公に贔屓にされている別の腹心にも向くようなダイナミックさがあれば、より一層面白いものになったと思うが、それは次回作以降に期待だ。

一方で、本作が深く掘り下げている「人種差別」は、上手くゲームプレイに落とし込まれていない。プレイ中に「人種差別」を意識させられるのは、「有色人種入店禁止」の店を見掛けたり、地区によって警察の手配システムが変わる時くらいであり、「人種差別」をフィーチャーしている割には、ゲーム内でそれを意識させられる場面は意外と少ない。

これに関しては、「主人公が高級車に乗っていると呼び止められる」や「高級住宅街を徘徊していると怪しまれる」と言った、オープンワールドと絡めたものを用意すべきだったのではないか。

総評

“反復的な作業に耐えたプレイヤーの苦労に報いる”かのように物語は良質で、ドキュメンタリー調で語られる復讐劇の結末にも満足できる。「会合」のような野心的なゲームシステムも見られ、今後のシリーズ展開に期待が持てる。

一方で、本作のベースとなる部分は5,6年前で止まっており、そうした点が全体的な評価を下げる結果に繋がっている。

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