Hitman: Blood Money【感想 評価 批評 レビュー】

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これまでのHitmanにはどこか現実離れした世界観が存在した。忍者を従えたヤクザやジャングルの奥地に住む原住民と言った者たちが登場し、目の前には明らかに異質で非現実的な世界が広がっていた。ある意味、前作はそれがピークに達した作品であり、屠殺場から始まる一連のミッションは猟奇的で独特な空気を醸しだしていた。

だが、今作『Hitman; Blood Money』はそうしたこれまでの世界観から一度距離を置いている。そして、我々が最も身近に感じられる「平穏な日常」を背景にした世界観を新たに作り上げており、過去作とは一線を画する、全体的に明るい作風になっている。

それに併せてミッションの舞台も変化しており、今作では一般人で溢れ返るパーティーや劇場が暗殺の舞台として登場し、「彼らの平穏な日常」に紛れてターゲットを暗殺するゲームプレイが展開される。すなわち、47がターゲットを暗殺している瞬間も、ドアの向こう側ではいつもと変わらない平穏な日常が送られているということであり、そうした中での暗殺には独特なスリルがある。

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事故に見せかけてターゲットを殺害する「アクシデントキル」は、Hitmanにおける暗殺をより劇的かつ複雑なものに一変させている。この「アクシデントキル」を上手く利用すれば、俳優の銃を本物にすり替えて間接的にターゲットAを暗殺し、そして「事故」を目撃して錯乱状態になっているターゲットBの頭上からシャンデリアを落下させる…。というような劇的な暗殺シーンを演出することができるのだ。

当然、その裏では様々な下準備が必要であり、どのタイミングで銃をすり替え、シャンデリアを落下させるかを綿密に計画しなくてはならず、暗殺は過去作以上に複雑化していると言える。

その一方で、そうしたアクシデントキルに頼らなくても、ターゲットを暗殺できてしまうというHitmanらしい良さもしっかり残っている。先程も例として挙げた劇場のミッションでは、自分が俳優に変装して二人のターゲットを舞台上から射殺したり、控え室で背後から絞殺したりすることが可能で、片手だけでは数えきれないほどの暗殺方法が用意されている。

更に今作ではターゲットや一般人を物で誘導できるようになったことで、プレイヤー自らがターゲットを死角へと誘導して暗殺することも出来る。ターゲットを窓際に誘導した後に背中をポンと押してやれば事故死に見せかけたアクシデントキルの完成というわけだ。

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過去作以上に多彩な暗殺と、サンドボックス型の構造を活用した文字通り自由度の高い今作のゲームプレイは必見。『Hitman 2: Silent Assassin』で誕生したゲームシステムの完成形が今作であり、次回作以降のHitmanにこれ以上の出来を望むことは酷に思えるほど洗練されており、そして面白い。

確かに「手配度」や「報酬」と言った一部の新要素はその存在を忘れてしまうほどの不発ぶりだが、それらを除けば今作は過去作とは比較にならないほど完成度が高く、これは傑作。

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