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なぜ、『Hitman Absolution』は駄作なのか

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約5年間の沈黙を破り登場した『Hitman Absolution』。Ubisoftの『Splinter Cell Conviction』同様にシリーズのマンネリ化を打破するために、様々な改善・改良が断行された復活作になるはずだったのだが、蓋を開けてみれば「Hitmanみたいな何か」という酷い有様の作品であった。

この作品も『Splinter Cell Conviction』同様に、新規層には比較的ポジティブに受け入れられたようだが、シリーズ経験者の一部からは批判的な意見も多く聞かれた。

シリーズ全作を遊んで来た私は批評にて、次のようにこの作品を評した。

今作は当時流行りのゲームシステムを意識し過ぎた結果、自らのルーツを見失ってしまった続編。

この作品は 「Hitmanとは何か」「何がHitmanの魅力なのか」ということを考えさせられる内容になっており、なぜこの作品にHitmanの冠が付いているのか疑問に思いながら遊んでいた。これまた批評で述べたが、ネットで見掛けた「開発者はHitmanを遊んでいない」という話を真に受けてしまうほど、Hitmanらしくないのだ。

本稿では、なぜ『Hitman Absolution』が駄作なのか考えていきたい。

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サンドボックスから一本道(演出重視)へ

Hitmanの良さと言えば、サンドボックス型のエリアを自由に行き来して作戦を練り、標的の最期を演出できるところだ。例えば、標的の頭上からシャンデリアを落下させたり、自らは手を下さず間接的に暗殺することが出来たりと、その自由度を活かして標的の最期を演出するのが楽しい作品になっている。

しかし、『Hitman Absolution』ではサンドボックス型から一本道的な展開へと方針転換したため、そうした良さが失われてしまった。基本的に、敵の目を避けて一本道を進みチェックポイントを目指す作りになっており、プレイ感覚はSplinter Cellに近く、Hitmanらしさが全く感じられないのだ。

確かに一部のミッションではHitmanらしさは残っているが、それも後述する「変装システム」の改悪で素直に楽しめない内容になっている。

変装システムの改悪から始まる破綻劇

Hitmanと言えば、プレイヤーの「それバレるからw」という鋭いツッコミをものともせず、明らかに不完全な変装で敵の目を欺き標的を暗殺していく「隠れないステルスゲーム」だ。

シリーズを重ねる毎に変装の扱いは変化したが、前作『Hitman Bood Money』では余程のヘマをしない限りは、変装を見破れることがない仕様に収まっていた。そのため、プレイヤーは変装した状態で警戒エリア内を自由に行き来することができ、そこで暗殺を練るということが出来た。

現実的に見ると明らかに甘いのだが、ステルスゲームの敵AIがいつもおバカなのと同じで、敢えて甘めに調節することでプレイヤー側に創意工夫する余地を残しているのだ。

一方『Hitman Absolution』では、そうした余地を奪ってしまった。変装に現実世界と同じルールを適応したせいで、「同じユニフォームを着た同僚」には変装を怪しまれる・見破られる仕様となり、プレイヤーの行動範囲を狭めてしまった。

確かに、同僚に紛れて見ず知らずのスキンヘッド男が混ざっていたら不審なのだが、Hitmanにそうしたリアリティは不要だ。

これのおかげで、たとえ警官に変装していても警官が居るエリアを通過する際は、中腰で物陰から物陰へと進まないといけなくなってしまった。それに加えて、警官変装時は警官以外には怪しまれないので、警官の目を避ける為に一般客の中を中腰で進むという奇っ怪な場面も生まれてしまっている。

もはや変装システムは機能不全に陥っており、プレイ中は「なぜ…なぜ…」という言葉が頭から離れなかった。

また、ミッション内容も首を傾げるものが多かった。一本道をせっせと進み、ようやく標的を目の前にしたと思ったらカットシーンに入り、なんとその中で47が勝手に暗殺に失敗してしまったり、化物と化したダニー・トレホと何故かQTEでプロレスしてみたりと、Hitmanファン的には「もう何だか良くわからないや」ということが次々と巻き起こる。

無かったことにしたい

Hitman(2016)』で軌道修正されたが、それによって一層『Hitman Absolution』の特異性が目立つ結果に。変装システムの改悪から始まる破綻劇以外にも、プレイスタイルを縛るスコアや、必要性を感じない顔を隠すアクションなど、不純物が本当に多い。

私の中では、『Hitman Absolution』は「無かったこと」になっているのだが、一応書くておくことにした。

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