Grand Theft Auto IV(グランド・セフト・オート4)【感想 評価 批評 レビュー】

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概要

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シリーズ初のHD機向けのGTAということで、その格段に向上した表現力が注目された本作『Grand Theft Auto IV』。しかし、質の高いゲームプレイ面とは別に、過去作と比べると”出来る事”が減少した点が指摘されるなど、一部で賛否を呼んだ作品でもある。

また、PC版に関しては劣化Uplayとも言うべきGames for Windows Live必須タイトルであることに加えて、最適化不足による動作不良が報告されるなど、発売当時はゲームを遊ぶ前に超えるべきハードルがいくつもあるという問題を抱えていた。

小さく、濃く

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前作『GTA:SA』までは、平たく言えば”GTA 3に様々な要素を追加していく”ことに注力していたのだが、今作では一旦それを止めている。前作にはあったレベルアップや体型の変化と言ったRPG要素、車のカスタマイズや不動産管理などと言った寄り道も全て削除され、正に贅肉が削がれた姿になっている。

このゲーム内容の大幅な変更は、リアル色が非常に強くなった今作の内容に合うように、各要素を再調整した結果でもあり、初のHD機向けGTAということで前作ほど巨大な物は作れなかった結果でもある。

例えば体型変化の廃止は、表現力が飛躍的に向上したことで、ポッコリお腹に腕が食い込むようなゲーム的な現象を誤魔化すことが出来なくなったからであり、不動産や各種カスタマイズの廃止は当時の技術的な問題とハード性能との兼ね合いで廃止されたのだと容易に想像が付く。

このように、今作は前作と比較して全体的に出来る事が少なくなっているのは確かだが、その一方で今作に引き継がれた要素は一切の妥協を感じさせないほど徹底的に作り込まれている。例えば、主人公の足となる車やバイグなどは非常に精巧な作りをしており、その挙動もやけにリアル思考だ。

更に主人公の動作も過去作とは比較にならないほど人間的であり、モニター越しにも関わらず主人公から生気が感じられるほどだ。また、NPCに関しても膨大な数のアニメーションが用意されていることに加えて、同じモデルであっても髪型や服装の組み合わせが何通りも存在するので、全く同じ外見のNPCとすれ違うことは本当に少なくなっている。

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街の作り込みに関しても、もはや過去作とは比較にならない。確かに過去作の街もそこに一つの文化が根付いていると感じさせられるほどではあったが、今作ではその文化を支えている住民の一人一人にも焦点が当てられているため、実際に街を歩くという行為さえも楽しい。

例えば、ウォール街を歩けば携帯電話を片手に忙しく歩くビジネスマンに出会え、繁華街ではカメラを手にした観光客にも出会える。加えて、彼らは携帯電話で恋人と話していたり、街角で友人と談笑していたりと、我々と同じように他者とコミュニケーションを取っており、その世界に根付いた存在として描かれている。

最早ただの通行人A、Bではなくなっており、これのお陰でゲーム世界の説得力がこれまに無いほど増しており、彼らを観察する為に街をブラつくことさえ楽しく感じられる。

街自体もコンクリートジャングルの都市部や移民で溢れる貧民街など様々な地区から構成されており、人種のサラダボウルと形容されるNYの空気が感じ取れる。NYを模したこの街は然程巨大ではないし、漏れなくコンクリートジャングルではあるが、その密度は凄まじい。過去作のマップは横に広かったが今作は縦に広く、続編の『GTA V』を含めても未だにこのレベルに達している作品は少ない。

確かに今作は前作と比較して出来る事は少ない。しかし、今作に引き継がれた各要素は異常なまでに作り込まれており、失ったものはあれど得たものも多いのだ。

狭い範囲で楽しむミッション

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ゲーム自体が現実的な描写に偏っていることもあり、メインミッションも「有り得そうなもの」が大半を占める。具体的に説明すれば、「敵を始末してブツを回収して終わり」というような現実世界でも起きている内容が多く、前作『GTA: SA』と比べるとやや味気ない。現実味は薄いが迫力満点の演出があったり、特殊なシチュエーションのミッションがもっと欲しかった。

また、ミッションの攻略における自由度もかなり低い。開発者が引いた線の上を一歩も外れることなく進まされることが多く、過去作のようなプレイヤーの創意工夫が入る余地が殆ど無いのは寂しい。私としては、一本道だからこそ演出面(スクリプト)が強化できたという話なら自由度が多少低くても構わないと思っているのだが、実際はそうなっていない。

ただ、一部のメインミッションでは複数の攻略法が提示され、それぞれ異なる展開が用意されており、その試みは面白いと感じた。こうしたものが他のメインミッションでも見たかった。

総評

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格段に向上した表現力により、GTA世界がこれまでにないほどの現実味を持ち、過去作で散々して来たはずの数々の犯罪行為でさえ新鮮に見えるというのは特筆すべき点。だがその反面、リアルに拘り過ぎる余り、ゲーム的な面白さを見失っている瞬間があり、今後はリアル志向とゲームらしさの塩梅が課題ではないかと思う。

今なお高いレベルの表現力と、やや癖はあるが質の高いゲームプレイが融合した今作は、オープンワールドゲームという広い括りの中でもトップクラスの完成度を誇っている。確かに、今作は過去作と比べて失った物は多いが得た物も多いのだ。

16.07.03 加筆修正

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