Far Cry(ファークライ)【感想 評価 批評 レビュー】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 18
スポンサーリンク

Far Cry プレイ日記一覧

  1. ストイックなゲームプレイを求めて
  2. 三つ巴
  3. リタイア
  4. 完走

Crysisシリーズやゲームエンジン「CryENGINE」などで有名なドイツのデベロッパー、「Crytec」の第一作目になる。非常に硬派な作品として知られる一方で、高度やAIと自由度の高いサンドボックス型ミッションが高く評価されている作品でもあり、00年代を代表するFPSの一つだ。

Good

  • 多様な遊び方で攻略できる
  • リアリティを与える物理演算

Bad

  • 初見殺し
  • ミュータント
  • インドア時における銃撃戦

一つのスタイルを確立

本作の時点で、実質的な続編である『Crysis』のスタイルが確立されている。そのスタイルとは、手持ちのアイテムと技術を駆使して自由に遊べることを指し、チャプター式ではあるが、一つ一つのチャプターが広いサンドボックス(箱庭)になっており、その中である程度自由に遊べる内容になっているのだ。

また、これも『Crysis』に引き継がれることになる、ゲリラ戦術を軸にしたゲームプレイも登場している。本作はFPSではあるが、真正面から撃ち合うと簡単に打ち負けてしまうので、相手を撹乱しながら倒していく必要があり、必然的に木々に身を隠して戦うことになるのだが、そのプレイ感覚も驚くほど『Crysis』に似ている。

ゲームプレイの流れは次の通りだ。まずはエリアを偵察し、敵の人数と装備を確認する。そして木々に隠れながら敵に接近し、サプレッサー付き銃やナタで静かに奴らを狩っていく。万が一、発見されることがあればゲリラ戦術に持ち込み、とにかく「相手を翻弄すること」を頭に置いて遊ぶことになり、Call of DutyシリーズやHalf-Lifeシリーズとは異なるプレイ感覚を実現している。

後の『Crysis』で見られるゲームプレイの基礎が、本作の時点で完成している。ゲーム側でコントロールしながらも、その中でプレイヤーの自由に遊ばせる作風は今でも面白いと感じる。

2以降のFar Cryとの違い

余談だが、このチャプター式という点は、Ubisoftが開発することになる『Far Cry 2』以降の作品とは明確に異なる点だ。

『Far Cry 2』以降は地続きの完全なオープンワールドになっており、その中を自由に移動してミッションを消化していく形で、その中にサンドボックス要素が含まれている。一方で本作は全チャプターが完全に独立しており、基本的にはエリア間を行き来は出来ない。一つのチャプターが終了すると、「次へ、また次へ」と自動的に進行していく。

この点はCrytec版とUbisoft版と比較した際に、よく分かる違いと言える。

ムラのある完成度

本作は全20チャプターから構成されている。本作はアウトドア系FPSなので屋外での活動が中心なのだが、ときには屋内戦中心のインドア系FPSになることもあり、メインミッションには多様性が感じられる。

しかし、アウトドアとインドアでは出来が大きく異る。というのも本作のAIは屋外での戦闘を意識して開発された節があり、インドアだとアウトドア時ほど頭脳的な攻撃を仕掛けてくることが少ないからだ。

これを具体的に書いてみる。まず、アウドドアでは、敵兵はプレイヤーを包囲するようにジリジリと距離を詰めてきたり、こちらの位置が分からない状況だと、なかなかその場所から動かなかったりなど、今遊んでも「おおっ」と感じさせる瞬間が多い。

その一方でインドアでは、簡単にハメ殺しが出来てしまう脆さが露呈する。例えば、銃声で誘導してやれば次々とやって来て、死角から一方的に攻撃するだけで制圧できたり、攻撃するにしてもただただ撃ってくるだけだったりする。

それに加えて難易度によってAIの行動が極端に変化することも書いておく。ミディアムやそれ以下の難易度だと、目に見えてAIの行動が悪くなる。

具体的には反射・視認能力が極端に低下するので、闇雲に銃弾をばら撒くだけで何とかなる。かと言ってチャレンジ以上では、一気に難易度が上昇してしまい、「あちらを立てればこちらが立たず」状態になっている。

結局、私はチャレンジで完走したのだが、チャレンジ時のAIを維持したままミディアムで遊ぶことが出来れば、さらに本作を高く評価することが出来たと思っている。また、プレイのハードルも下げることが出来たはずだ。

しかし、本作最大の欠点はミュータントの存在だろう。中盤以降から頻繁に登場するのだが、単にRPGを乱射するだけだったり、ただ突進するだけであったりと、ここだけ戦略性が完全に抜け落ちてしまっている。また、ミュータントを相手にするときも主人公はひ弱のままなので、特にインドアだと今度は逆にハメ殺される場面も増えて来て、泣く泣くリスタートすることも少なくない。

確かに、手強いミュータントに銃弾を浴びせるのは面白いときもある。しかし、それまでの高度な対人戦に面白さを見出した者としては、あまりにも場違いで不要に感じられるのも事実だ。

総評

本来の良さが感じられる難易度チャレンジは、非常にストイックな内容。ワン・ショット・ワン・キルで倒されることも、初見殺し的なトラップに引っかかることもあるのだが、肝心の対人戦は今遊んでも面白いと感じさせるほど完成度が高い。

非常に知的で戦略性に富むシューターで、いくつかの欠点はあれど記憶に強く残る一作になることは間違いない。