Fallout New Vegas(フォールアウト ニューベガス)【感想 評価 批評 レビュー】

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概要

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Fallout 3』のBethesda Softworksではなく、Obsidian Entertainmentが開発した外伝になる。ちなみにObsidianには初期のFalloutを開発した開発者が多数在籍しているということで、本作は”Fallout 3の外伝ではあるが、ある意味では本流のFallout”とも捉えることができる。

今作は『Fallout 3』の翌年に発売されていることからも分かるように、中身自体はフルカスタマイズした『Fallout 3』になっている。「オープンワールド」「自由度」「V.A.T.S.」と言った『Fallout 3』の代表的な要素の殆どが今作にも受け継がれており、それらに関しては前作の批評を読んで欲しい。

Obsidian流のFallout

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今作は見た目こそ前作『Fallout 3』に酷似しているが、中身は大きく異なる。例えば、前作の主人公は生い立ちが明らかでキャラクターがある程度定まっていたが、今作の主人公は厄介事に巻き込まれた記憶喪失の”運び屋”だ。性別はもちろん、年齢や氏名、経歴といった人物が特定できるものは一切不明で、プレイヤー同様に真っさらな状態からゲームが始まる。この点は前作とは大きく異る。

このような記憶喪失の主人公はキャラクター性は皆無だが、プレイヤー=主人公という構図を容易に作り出すことが可能になる。事実として、前作では何をしていても父親の存在が付いて回ったおかげで、あの父親の”息子(娘)”を演じていたフシがあったが、今作にはそうした縛りが一切ないので、プレイヤーの思い描く主人公を作り出し、それに扮することができるのだ。

これにより、今作は”誰かの物語を完成させる”という感覚よりも、”自分の物語を完成させていく”感覚が強い。特にこのシリーズはプレイヤーの選択が展開を左右するので、今作のようにプレイヤーが主人公だとなお一層、その感覚が強くなる。この違いも前作とは異なる今作特有の点と言える。

余談だが、Bethesda製とObsidian製のFalloutを遊んで分かったのは、両者が異なる切り口で物語を描いている点だ。今後のFalloutシリーズを担うと思われるBethesdaは、主人公に強いキャラクター性を持たせることで”物語主導型のFallout”とも呼べる作品を目指している節がある。逆にObsidianの方はプレイヤーの選択とその結果を物語に反映させることに注力しており、両者の違いは明白。

話を元に戻すと、今作は一見すると前作の焼き直しに見えるが、主人公や物語だけ取っても前作とは大きく異なる作りで、ちゃんとObsidian流のFalloutになっているのが面白い。

評判と派閥

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前作『Fallout 3』では善人になるとタロン社の傭兵に、悪人になると賞金稼ぎに襲撃されるランダムイベントが発生した。今作の”評判”はそれを更に発展させた形で、プレイヤーの行動次第で彼らの向こう側にいる、組織全体との関係が変化する仕様にようになっている。
例えば、パウダー・ギャングの組員を襲えばパウダーギャングとは敵対関係になり、組員はプレイヤーの姿を見るやいなや攻撃してくるようになる。誰彼かもわず敵対しているとゲームの進行に支障を来す恐れもあり、身の振り方は特に重要なのだ。

この”評判”の面白いところは、正にこの身の振り方をプレイヤーに考えさせるところで、後の展開にどのように影響するかを考えながら決断を下すのは大変面白い。流石にプレイヤーの決断によって勢力図が大きく塗り替わるダイナミックな変化はないが、小さな範囲であっても変化があるので、このシリーズの特徴でもある”複数の選択肢の中から一つを選ぶ”という行為が前作以上に活きている。

だが、中盤に進行上の都合で友好度がリセットされる点は大きな欠点。ここに至るまでプレイヤーが自分なりに考えて下した決断の結果である友好度を進行上の都合という一方的な理由で、いとも簡単にリセットするのは暴挙に近い。本当は友好度も踏まえてクエストを進行させるべきだが、何故かこのゲームはリセットすることを選んだ。これまで積み重ねてきた決断は「一体何だったんだ」という思いになる。

中盤に友好度がリセットさせる致命的な欠点はあるが、評判と派閥は面白い試み。欲を言えばプレイヤーの知らない間に勢力図が大きく書き換えられるような変化があれば良かったと思うが、“評判”と”派閥”はプレイヤーの考えをゲーム世界により反映してくれる道具として見事に機能しているので、これ以上文句は書かない。

Speechスキルがもたらす奥深さ

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前作ではSpeechスキルが低くても別の選択肢を選ぶことができ、単に成功する確立が低くなるだけだったのだが、今作は一定のレベルに達してしないと選択できなくなり、選択可能な場合は絶対に成功する仕様に変更されている。この仕様変更に関しては運要素が無くなり緊張感が消えたというデメリットと、絶対に成功するので遊び易いというメリットがあるので、一概に改悪とは言えない微妙な変更と言える。

さて、Speechスキルは前作以上に上げる価値がある。例えば、こちらの企みが相手方にバレて戦闘不可避の場面であっても、Speechスキルが高ければ上手く言い逃れることができたり、敵の一人をこちら側に抱き込んで一緒に戦わせてスマートに切り抜けられたりできるのだ。先述したように運要素は無くなりスリルはないが、一つのクエストに複数の攻略法を提示してくれるSpeechは前作以上に活きており、とても面白い。

総評

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前作をベースにしながらも、明確に独自路線を打ち出しており、ただの焼き直しになっていない。確かに、この記事で挙げた以外にも欠点は存在するのだが、複雑に分岐する物語や膨大なコンテンツ等を前にしては、それらは些細な欠点に過ぎない。

今作はその独自のアプローチが非常に面白いFallout だ。

16.08.25 加筆訂正

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