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【評価・感想】『デウスエクス(ヒューマン・レボリューション)』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。
原題Deus Ex Human Revolution
対応機種PC,PS3,Xbox 360
クリア時間20時間~
ストーリー人体改造が一般化しつつある2027年。人類と”新たな人類”との間で対立が生まれる中、人体改造分野の巨大企業サリフ・インダストリーが何者かに襲撃される。この襲撃で瀕死の重症を負った上に、かつての恋人まで誘拐された主人公は、単身でこの襲撃を企てた者を追う。

『Deus Ex Human Revolution』は、2011年に発売された「Deus Ex」シリーズの三作目。『Deus Ex Invisible War』以降、シリーズは休止状態だったが、”約8年ぶりに”シリーズの新章を描く作品として、今作が登場した。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

正統派なDeus Ex

箱を足場にして、ビリビリを回避

今作は一作目『Deus Ex』の後継作にして、正統派な「Deus Ex」。前作『Deus Ex Invisible War』は、レビューに書いている通り、一作目から失ったものが多く、はっきり言って物足りない続編だったのだが、今作には、そうした不満がほとんどない。

基本的には、一作目をお手本にしたと思われるゲームになっており、一作目の特徴の多くが今作へと受け継がれている。「ミッションでは、広めのエリアを用意し、それを思い思いの方法で攻略させる」「限られた機会で、賢く主人公を育成させる」など、一作目にはあって、二作目ではなくなってしまっていた要素が復活している。
エリアは、一作目ほど広くはないが、それでも様々なルートが用意された多層的な空間になり、探索できる、したくなる作り込みが見事で、主人公の育成システムに関しても、長期的に考えて「まずはどれを強化するか」と取捨選択する必要があり、選ぶ意味がちゃんとある。
また、工夫して遊ぶ余地が残されている点も一作目譲り。オブジェクトを積み上げて高いフェンスを飛び越えたり、窓を塞いで、ハッキングしているところを敵にバレないようにしたりなど、今作も「こうすればどうなる?」にちゃんと答えが用意されており、色々と考えて遊ぶ楽しさがあるゲームになっている。

その上で、様々な改良を取り入れて、一作目の形をアップデートしている点も、今作の良いところ。
これまでも、特殊な強化をしていないとアクセスできない隠しルートは存在したが、今作は、それが細かく用意されており、「これは使い所があるのか?」と思うような強化も、主人公を強化する際に選択肢に入るようになっている。「脆い壁を破壊する」「環境ダメージや落下ダメージを無効化する」は、無くても良いのだが、あれば攻略の幅がぐっと広がる。
他にも、カバーに入ると三人称視点に切り替わったり、敵をワンボタンで倒せるテイクダウンがあったりなど、システム周りが見直されており、2010年代以降の大作ゲーム然とした作りになっている。

今作はシリーズの原点に立ち返ることと、シリーズを刷新することを同時に実現しており、非常に洗練された「Deus Ex」になっている。

ちなみに、今作もオープンワールド要素を含んだゲームでもあり、デトロイトやヘンシャ(中国)が自由に探索できるマップとして用意されている。これまでと同じく、マップ自体は小規模だが、探索可能なロケーションが多く、見た目よりは広く感じられる世界になっている。そこでは、メインミッションと平行して、サイドミッションを遊ぶなどする。

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唯一と言って良い欠点は、ボス戦

ボス戦が”Deus Exらしく”ない。ボス戦以外は、各々のプレイスタイルに合わせて遊べるゲームだが、このボス戦だけは違う。

今作のボス戦は、”アクションゲームのボス戦”になっており、真正面から撃ち合うという作り。「Deus Ex」のボス戦は、対話で解決可能で、倒すにしても複数の方法が存在したが、今作ではどのボス戦も撃つ以外に方法はない。

この問題点は、「ボス戦がワンパターンすぎる」以外にも、それまで完全ステルス向きに主人公を強化していて、非殺傷系の武器しか持っていない場合だと、苦戦を強いられる可能性が高いこと。
ボス戦まではそれでもクリアできる手段が用意されているのに、ボス戦だけはそれが存在せず、ゲームの作りに一貫性がない。「ボスはキル以外に選択肢はない」にしても、腕力に頼らずにキルする方法も必要だったと思う(※ボス戦のみ外注したとのこと)。

なお、完全版にあたる「Director’s Cut」では、このボス戦に手が加えられている。キル以外に選択肢はないのは同じだが、間接的にキルする方法が追加されており、ステルス仕様の主人公でも対抗できるようになっている。

もっとも古い時代を描くストーリー

ぱっと見は、かなり時代が進んでいるように見えるが、実はシリーズでもっとも古い時代を描く作品。

時系列としては『Deus Ex Human Revolution』『Deus Ex Mankind Divided』『Deus Ex』『Deus Ex Invisible War』の順番になり、今作から一作目までは、20年ほどの時間の開きがある。

シリーズの原点を描くストーリーなので、過去作の知識は不要。ただ、過去作を遊んでいると、後のストーリーに影響を与える出来事への言及をはじめ、色々な気づきがある内容になっている。

ストーリーは、初めて遊ぶ人、過去作も遊んだ人の両方に気配りが出来ていると思う。

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総評

正統派な「Deus Ex」で、非常に完成度の高い一作。一作目『Deus Ex』の特徴を受け継ぎつつも、見直すべき部分はきっちり見直しており、見事にシリーズを蘇らせている。もし、ボス戦が、最低でも「Director’s Cut」と同じであれば、文句なしの傑作だったが、それでもPS3、Xbox 360時代を代表するゲームの一つであることには変わらない。

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