#クライシス (Crysis)【感想 評価 批評 レビュー】

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実質的な『ファークライ(Far Cry)』の続編。前作『ファークライ』で構築したゲームデザインを、当時の最新技術をフル活用して再構築した内容になっており、そのゲームプレイと激重だが激美のグラフィックが話題を呼んだ一作。

また、今後2作続くことになるクライシスシリーズの第一作目になり、壮大なトリロジーの序章が描かれる。

Good

  • 質の高いシューター
  • 自由度の高い前半戦

Bad

  • 一本道的な後半戦

純度の高いシューター

エリアに見るべきロケーションや達成すべき副次目標があっても、それを強制されることはない。これらはプレイヤーが自発的に探索し、その結果として発見できるものであり、ゲーム側から命令されて否応なく発見・達成していくものではない。

他の作品では、寄り道要素として「サイドミッション」や「レベルアップ要素」などが用意されていることが多いが、『クライシス』にはそうしたものはなく、的を撃つことのみにフォーカスされており、正に純度の高いシューターになっている。

マキシマム

敵は前作並に優秀で銃声がするとその場で伏せたり、上半身を左右に揺らすなど様々な動きを見せる。また、お互いに声を掛け合って、プレイヤーを詰めて来るなど、前作同様に敵は優秀だと感じることが多い。

メインミッションではそうした敵を、まさにフルボッコしていく。それを可能にしているのが「ナノスーツ」であり、これがプレイスタイルの幅を広げることに寄与している。

例えば、前作では主人公がひ弱だったので、否応なしにステルスプレイで進める必要があったのだが、今作では「ナノスーツ」の超人的な技を駆使することで、各々のプレイスタイルに合った方法で進めることが出来るようになっている。

具体的には、「マキシマム・アーマー」は自動回復式防弾チョッキであるため、仮に蜂の巣にされても物陰に身を隠すだけで全回復するのだが、それが思い切ったゲームプレイをする際に背中を押してくれるし、主人公の姿を一時的に透明化する「マキシマム・クローク」は、隠密行動を容易にし、前作よりも楽にゲリラ戦術に持ち込め、集中砲火されていても、これで姿を消せば窮地から脱することが出来るので、これまた大胆な遊び方をする際に背中を押してくれる。

それ以外にも基礎体力を強化する、「マキシマム・スピード」や「マキシマム・ストレングス」も面白く、それらを使い倒して敵を翻弄していくのは、ゲリラ戦術一辺倒だった前作よりも楽しい。

シューターとしては銃声やヒット感が良く、既述したように敵の動きも多彩。また、リアルタイムで銃をカスタマイズして臨機応変に戦う戦術性も面白く、今なお独自性が感じられる点は評価したい。

終盤に向けて失速していく

前半は、サンドボックス型ミッションの自由度を感じながら遊ぶことが出来る。ゲーム側からの指示は「目標はコレ、後はご自由に」なので、海から陸に向かって機銃掃射してみたり、離れた場所からスナイプしてみたりと、前半に関しては様々な遊び方で進めることができ「飽きる瞬間は一秒も無かった」と断言できる。

一方で、サンドボックス型ミッションが中心の前半とは対照的に、後半は対エイリアン戦のみに移行し、戦術は二の次で単に撃ちまくるシューターに一変する。正にゲーム内容が真逆になるので、前半を気に入っていた者ほどその違和感に戸惑うことになるだろうが、私としてこれはこれで面白いと感じたので、対エイリアン戦で失望することは無かった。

しかし、ミッション構造は問題ありと言わざるを得ない。具体的には、前半は広いエリアの中で自分なりの遊び方を見出していくのに対し、後半は単に出口まで走り抜けるだけの内容になっており、非常にワンパターンなのだ。また、エイリアン戦一辺倒になるため、せっかく覚えてきた対人戦での対処法も出番がなくなり、私としてはそこに失望感を覚えた。

総評

発売から10年近くが経過しているにも関わらず、グラフィックや、撃ち合いは非常に質が高く、約10年という時の経過を一切感じさせない。前半に限れば「傑作」。